2018年1月6日土曜日
Frico Friulano じゃがいもとチーズのフリッコ
見かけは野暮ったいけど食べるとほっこり、家庭ではポテトが大好きな子どもたちの間で取り合いになるほどの人気の一品です。
寒さが一段と増してきて、クリームソースのパスタや熱々のグラタン、脂身の多い肉料理なんかが美味しい季節ですよねぇ。
そう、冬の料理って高カロリーなものが多いんです。
冬になると人間の身体は代謝を高めて冬の寒さに耐えようとするので、体内で燃やすためのカロリーが必要になり本能的に高カロリーなものを欲するようになるんですね。
まぁ、暖房設備が整ったオフィスで働く現代人にはあまり必要ないかもしれませんが、肉体労働が中心だった貧しい時代の冬の定番料理などは現代のレシピと比べるとかなり高カロリー。
みんな大好きボロネーゼ=ミートソースなんかも昔はラードたっぷりでこてこてに作っていたそうなので、確かに今とはだいぶ違います。
ところで、代謝が高まるってことは脂肪が燃えやすくなるわけだから、うまく運動を併用すれば冬は意外とダイエットに適した季節なのかも、なんて安直に考えちゃった方はいないですよね。笑
もちろんそんなことはありません。
身体にたまった体脂肪は保温効果を高めてくれる大事な保温材なので、冬は体脂肪を燃やすのはなるべく後回しにして、食べものから摂取したカロリーを優先して燃やそうとします。
つまり代謝が高くても直接的なダイエット効果はとくに見込めないし、逆に余分に摂ったカロリーは保温材として体内にためようとするので、冬は太りやすい季節なんですね。
おまけに寒いと出不精になったりして他の季節より運動量が減ります。
本能のままに高カロリーなものばかり食べてると、後々後悔することになりますので気をつけたいですね。
さて、そんなことを言っておきながらも、今日のフリッコという料理は実はなかなかの高カロリーで、冬の寒さが厳しい北国らしい一品。
主な材料がじゃがいもとチーズだし、使うチーズの量が結構ハンパないうえバターも入ります。
でもこれがまた悪魔の囁きみたいにやたら旨いから困る。笑
やっぱり美味しいものは脂肪と糖でできているんですねぇ。
じゃがいもは茹でてからマッシュするレシピもありますが、伝統的には生のじゃがいもを薄くスライスして水分を足しながら炒めます。
こうするとじゃがいもの固形部分が適度に残って、ハッシュドポテトのように変化のある食感に仕上がります。
じゃがいもがあらかた潰れたところに混ぜ込むチーズは本来はご当地のモンタジオチーズを使うんですが、高価な輸入チーズをたくさん使って原価の高い田舎料理を作るというのもなんだか本末転倒。
躊躇なくたくさん使えるピザ用のシュレッドチーズがお手軽です。
スキレットでじっくり火を入れて水分を飛ばし、バターを足して両面をかりっと焼き上げれば出来上がり。
見た目がイタリア料理というよりドイツ料理みたいなフリッコですが、それはフリウリ=ヴェネチアジュリア州がイタリアの北東端に位置しドイツにほど近い土地柄だから。
歴史的にもオーストリア=ハンガリー帝国の影響を受けてきただけあって、ソーセージにザワークラウトをつまみビールを飲む食文化には中央ヨーロッパの香りが漂います。
Ingredienti (per 4 persone)
じゃがいも | 中2個 | ||
玉ねぎ | 中1/2個 | ||
ハム | 20g | ||
シュレッドチーズ | 200g | ||
パルミジャーノ | 少々 | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
バター | 20g | ||
水 | 適量 | ||
塩 | 小さじ1/2 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
じゃがいもと玉ねぎは皮を剥いてスライスします。ハムは短冊状に切ります。
パルミジャーノは削っておきます。
よく熱したスキレットにオリーブオイルをしいてハムと玉ねぎを加え、玉ねぎがしんなりするまでソフリットします。
じゃがいもと塩胡椒を加え、適宜水も加えてじゃがいもを煮崩すように根気よく炒めていきます。
だいたい30分から1時間ぐらいかかります。
水分が多すぎると焼き固まらないので後半は水分を飛ばします。
じゃがいもがいい感じに潰れたらピザ用のシュレッドチーズ、バター、パルミジャーノを加え、全体をよくかき混ぜて馴染ませます。
ほくほく状だったのがとろとろ状になるので、そのまま弱火でじっくり焼き固め、両面がかりっと焼ければ出来上がり。
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