2018年1月20日土曜日

Spaghetti con le Ostriche al Gorgonzola 牡蠣のソテーとゴルゴンゾーラソースのスパゲッティ

ぷりぷりの冬牡蠣をバターでアロゼしながらソテーして、旨みの残ったフライパンでチーズを溶かしてソースにして太いスパゲッティに絡めた牡蠣のソテーとゴルゴンゾーラソースのパスタ。
大粒の牡蠣をごろごろ後乗せすればピアットウニコ風、かりっと焼けた焦げ目の香ばしさとたっぷり挽いた黒胡椒が男っぽい印象の一皿です。

厳冬期の牡蠣って美味しいですよね。
冬牡蠣の食べ方でいちばん好きなのが洋食風の牡蠣フライなんですが、タルタルソースはもちろんのこと普通にウスターソースでも美味しいしちょっと醤油をたらしたりマヨネーズをつけても美味しい。
たくさん揚げていろんなソースで味変させながら食べたいです。
牡蠣フライの次は牡蠣の炊き込みご飯かなぁ。
味が染みて茶色く染まったご飯は何杯でもおかわりしたくなる味です。
家庭ではなかなかアレですが殻付きの焼き牡蠣も旨いし、フレンチ風にグラタンや香草バターでオーブン焼きもいいしオイルと相性がいいのでスペイン風にアヒージョにしても美味しい素材。
あとは牡蠣の土手鍋、味噌と牡蠣の旨みが絡み合って絶品です。

あれ、そういえば生牡蠣が出てきませんね。笑
生の牡蠣は食べられないわけではないけど、磯の味しかしない気がして実はそれほど好きではありません。
牡蠣は海中の岩などの固定物に付着して生活しますが、一度固定するともうそこから動かないので、運動するために必要な筋肉組織が退化して内臓器官が肥大化、つまり身のほとんどは内臓なんですよぉ。
ちょっとドン引きしそうですが、そうでなくても牡蠣は火を通すことで牡蠣本来の旨みが増すので、わざわざ旨みの少ない生牡蠣を食べるのはむしろもったいないとか思ってます。

刺身大好きの日本でも生牡蠣を食べる習慣はもともと一般的ではなく、酢で〆めた酢牡蠣が食べられていた程度。
じゃ、いつから生の牡蠣が一般的になったのかというと、意外なことに魚介を生で食べるのを忌み嫌っていたはずの西洋からの逆輸入。
しかもその歴史は古代ローマ時代にまで遡るというから驚きです。
ヨーロッパの牡蠣食文化の中心はもちろんフランス。
それも生きている殻付きの生牡蠣しか食べないんですよね。
フランス料理はソースの文化で、素材本来の味がわからなくなるぐらい濃厚なソースを纏った料理は素材の味よりもソースを味わうための料理といった感じすらします。
そんな素材の味を力づくでソースの味にする剛腕なフランス人ですが、牡蠣を食べるときだけは生のままで素材本来の味を楽しむのがいちばんとか言ってるそうなので笑えます。

さて、イタリア料理では古典的には魚介にチーズや生クリームといった乳製品を合わせるのはなんとなくタブーとされてますよね。
まぁ、現代においては都市部や若い世代ではそれほどでもないものの、地方に暮らす年配者や食に保守的な人は今でも眉をひそめる組合せ。
でも牡蠣はバターやチーズとの相性が抜群すぎるんですよね。
小麦粉をはたいてバターでかりっとソテーした牡蠣は、もうそれだけでメイン料理を張れるご馳走。
バターと牡蠣の旨みが残ったフライパンでゴルゴンゾーラを溶かして、生クリームでのばしたソースでパスタを作りぷりぷりの牡蠣を乗せればメイン料理とパスタのワンプレート=ピアットウニコ風。
太いパスタに大粒の牡蠣がごろごろ乗り黒胡椒をたっぷり挽いた感じが武骨で男っぽい佇まいの一皿です。

Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ(2.2mm)250g
剥き牡蠣180g
バター30g
小麦粉少々
ゴルゴンゾーラ100g
生クリーム200ml
白ワイン大さじ1
適量
黒胡椒適量
パスタの茹で汁レードル1杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

剥き牡蠣はできれば生食用でなく加熱用のものを購入します。
(生食用は滅菌洗浄されることで痩せて旨みが減少しています)

牡蠣をボウルにあけ、粗塩をまぶして優しく揉みながら汚れやぬめりをとり除き、流水で洗ってザルに上げ水を切っておきます。
キッチンペーパーで水気を拭きとり、塩胡椒で下味をつけます。

フライパンを中火にかけてバターを溶かします。
牡蠣に小麦粉をはたいて、バターがふつふつ泡立ってきたフライパンに置き入れ、スプーンでアロゼしながらかりっとソテーします。
あまり触り過ぎると小麦粉が剥がれるのでなるべく放置して、焼き色がついたらスプーンで優しく裏返します。

パスタを茹で始めます。
ソテーした牡蠣は一旦取り出し、弱火にして白ワインを少量注ぎ木べらで焦げ付いた旨みをこそげとります。
ゴルゴンゾーラを置き入れて溶かし、生クリームを注いで煮詰めながら塩胡椒で味を調整し、パスタの茹で汁を加えてのばします。

少し硬めに茹で上げたスパゲッティをフライパンに移し入れ、パスタにソースの旨みを吸わせながら煮詰めていきます。
ソースは火を止めてからもどんどん煮詰まるので、ちょっと緩いかなというぐらいの状態で火を止めて皿に盛ります。
牡蠣のソテーを上に乗せ、黒胡椒をたっぷり挽きかければ出来上がり。

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