2018年6月2日土曜日

Panzerotti con Pomodoro e Mozzarella トマトとチーズとバジリコのパンツェロッティ

もちもちのピッツァ生地を丸くのばしてトマトソースとモッツァレッラとバジリコを乗せ、半分に折り畳んで香ばしくフリットしたプーリア風揚げピッツァ=パンツェロッティ。
熱々にナイフを入れると蒸気とともにトマトとバジリコの芳香が噴出、チーズもとろり流れ出てきてわくわく感が止まらない一品です。

ピッツァといえば大人も子どもも大好きな食べもののひとつ。
トマトやチーズ、オリーブオイルなどが焼ける匂いが食欲をそそるし、いろんな種類のトッピングであれこれ楽しめるので家族や友人が集まるホームパーティとかにもぴったり。
生地から作るのはそれなりに大変ですが、石窯なんちゃらみたいな冷凍ピッツァならお手軽かつ安価にわりと本格的な味が楽しめます。
それすら面倒という人は電話一本で届けてくれる宅配ピザもあります。
ただこの宅配ピザってのは値段が異常に高い。
例えば、店舗から家までが20分、玄関先で5分とすると、往復で45分のアルバイトの人件費とバイクの燃料代が少なくとも確実にピザの原価に含まれているからですね。
さらに注文が入ってないときでも店舗でアルバイトたちが待機しているため、その分の人件費だって全部原価に含まれています。
そんな価格設定でも需要がありビジネスとして成り立ってるんですね。

この宅配ピザのビジネスモデルはアメリカが発祥。
だから宅配ピザの大半はアメリカンスタイルのピザですよね。
サラミやベーコン、チキンにツナ、エビやカニ、水煮マッシュルーム、マヨコーンなどとにかく具沢山でチーズもたっぷりなのがアメリカ風。
イタリア系移民がアメリカに持ち込んでアメリカ風に進化したもので、生地に塗るピザソースもトマトソースというよりサルサソースみたいなアメリカ南部風のスパイシーなものだったりします。
本場イタリアのものとはだいぶ趣が違いますが、日本のピザはもともと戦後アメリカ経由で入ってきて70年代に急速に普及し定着したもの。
古い世代の人にはむしろこちらのピザの方がなじみ深いんです。
シェーキーズの食べ放題とか懐かしいですよねぇ。
吉祥寺店なんて今もあるので40年以上も続いてることになります。

さて、イタリアのピッツァといえばシンプルなマルゲリータやチーズが乗らないマリナーラ、四種のチーズのクアトロフォルマッジョなんかが代表的ですが、生地や形は地域によっていろいろ違ったりします。
真っ先に思いつくのが縁(コルニチョーネといいます)が盛り上がってもちもちのパンみたいな食感のナポリピッツァ。
生地をのばすときに縁の部分を少し厚めに残すようにしてるのですが、高温の石窯で一気に焼くので中の空気が膨らんであんなふうに焦げ目も綺麗について美味しそうに焼き上がるんですね。
ナポリピッツァは「真のナポリピッツァ協会」というところが認定してはじめて名乗ることができます。
基準は伝統的な材料や製造法でピッツァを作っているかどうか。
日本にも情熱を持って修行した結果そこまで到達した数少ない本格的なピッツェリアがあるみたいですね。
一方、ローマ風やミラノ風は生地が薄くてクリスピー。
大きな四角形に焼いて切り分けたり計り売りにするタイプもあります。

今日のように丸い形のものを半月状に折ったものは、カルツォーネとかパンツェロッティと呼ばれます。
カルツォーネはナポリが発祥で折りたたんでからピッツァと同じようにオーブンや石窯で焼き上げ、パンツェロッティはプーリアの郷土料理で焼くのではなくオイルで揚げます。
どちらも一番人気はマルゲリータと同じトマトにバジリコにチーズ。
揚げたての熱々にナイフを入れるとカルトッチョ=紙包み焼きを開けるときのように閉じ込められていたトマトやバジリコの香りが立ち上り、チーズもとろりと流れ出てきますよ。

Ingredienti (per 3 Pizze del Diametro di 19cm)

強力粉200g
ぬるま湯1/2カップ
ドライイースト5g
3g
オリーブオイル20cc
per Condire
カットトマト1/4缶
にんにく1/4片
乾燥オレガノひとつまみ
オリーブオイル適量
モッツァレッラ100g
バジリコの葉9枚
適量
黒胡椒適量
サラダ油適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ボウルに強力粉、塩、ドライイーストを入れて均一に混ぜ、ぬるま湯とオリーブオイルを加えて最初は二本指で、徐々に右手全体で混ぜます。
最初は手にべたべたつきますが、だんだん生地がまとまってくるので、台の上に移して捏ねていきます。
10分ほど捏ねると生地に張りが出てくるので3等分して丸めます。
深さのあるバットなどに打ち粉をして丸めた生地を間隔をあけて置き、ラップをして室内で夏は1時間、冬は3時間ほど発酵させます。

生地を発酵させている間にトマトソースを作ります。
鍋にオリーブオイルをしいて弱火にかけ、みじん切りにしたにんにくを加えて香りを出します。
カットトマトを加えて水分を飛ばすように少し煮詰め、塩と胡椒で味を調えオレガノを加えればトマトソースは出来上がり。

発酵した生地は麺棒で薄く丸く広げて成形します。
スプーンでトマトソースを塗ってモッツァレッラを手でちぎって置き、バジリコの葉も手でちぎって適当に配置します。
半分に折って生地の端を餃子を包むときのように巻き込んで閉じます。

深めのフライパンにサラダ油とオリーブオイル少々を注いで火にかけ、最初は口を閉じた側を下にして両面を色よく揚げます。
油を切って包丁で半分にカットし皿に盛れば出来上がり。

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