2019年3月31日日曜日

Linguine alle Gamberetti e Cime di Rapa 菜の花と桜海老のリングイーネ

桜の開花に合わせるように春漁の解禁を迎えたサクラエビを春の野菜とともにしっとりとオイルソースに仕立てた、春の和製イタリアンの定番菜の花と桜海老のパスタ。
記録的な不漁だった昨年からはまだ回復途上ですが、この時期はやはりこれを食べないことには春を迎えた気がしませんよね。

桜海老の季節がやってきましたねぇ。
全身が美しい桜色をしてるのと、ちょうど桜が咲く頃に旬を迎えるから桜の名を冠して桜海老。
春を愛でる日本では最上級に美麗な呼び名をつけてもらっています。
今年は東京の桜の開花が平年より5日早い3月21日。
一方で、桜海老の春漁の解禁は3月24日でした。
まさに桜の開花に合わせるかのように春本番を告げてくれるわけです。
しかし昨年の春は記録的な不漁に見舞われ、その影響で秋の漁もついに一日も出漁できないまま打ち切りとなってしまい、産卵を控えた時期の今年の春漁も再開が危ぶまれていました。
強風の影響で解禁直後は出漁を見合わせ、3月26日にようやく出漁。
資源保護のため自主規制しながらとなりますが、まずは水揚げがあったということでひと安心、関係者も安堵していることでしょう。

桜海老といえば天日で干してかき揚げなどにすると美味しいですよね。
干した海老はかき揚げのほかにもお好み焼きの生地に混ぜてもいいし、玉子焼きやちらし寿司、炒飯の具に入れてもいい。
でもちょっと待って。
桜海老ってそんなどこにでもある庶民的な食材でしたっけ。
実は桜えびとよく混同されるのが撒き餌などに使うオキアミやキムチの材料であるヤンニョムに使われるアミの塩辛の原料=アキアミ。
干して乾物にしたものが安く売られてるのでおそば屋さんのかき揚げやお好み焼きによく入ってるのは実際はこれらの方だったりします。
サクラエビはアミエビなどよりひとまわり大きく見た目が違いますし、乾物のほかにしらすのように釜揚げにされたり水揚げ後に急速冷凍して生のままで流通するものはわりと高級品。
生の桜えびは透明で甲殻に持っている赤い色素が発色するため、宝石のピンクサファイアのように透き通ったピンク色をしています。
その美しさたるやまさに海の宝石と呼ぶに相応しいんですよねぇ。

実は桜海老とは静岡県の駿河湾でしか獲れない希少な水産資源。
日本近海で生息が確認されているのは駿河湾のほか周辺海域の相模灘、そして二年前に長崎県の五島列島沖で偶然に発見され、その後の調査で生息が明らかになったと、つい先月のニュースが伝えていました。
海外では台湾の近海にも生息していて、獲れたサクラエビは日本向けに輸出もされているそうですよ。
このようにサクラエビの生息する海が限られているのは、サクラエビが深海性のエビであることと関係しています。
駿河湾の場合だと、湾が伊豆半島と御前崎にぐるりと囲まれ、富士山をはじめ箱根や身延山地、明石山脈などの標高の高い山々から海に向けて急激に落ち込む独特の地形をした国内で最も水深が深い湾なんです。
そこに先ほどの名峰を水源とする富士川や安倍川、大井川などの清流が流れ込みプランクトンなどの栄養が豊富。
つまり深海なのに陸に近いがゆえに餌もたっぷりという、サクラエビにとってはまさに海のゆりかごのような状態になってるわけです。

サクラエビは昼間は水深300mという深場を群れで遊泳しています。
ところが夜になると餌を求めてかなり水面近くまで浮上してくるため、そこを網ですくうのがサクラエビ漁。
今から100年ちょっと前に始まったばかりの歴史の浅い漁業です。
サクラエビが群れで駿河湾の深場にいるというのは実はアジ漁の漁船が偶然発見したという逸話があります。
アジを狙って海の表層をさらうための網がブイが流れてしまったために深海に沈んでしまい、その網を引き揚げたところサクラエビがびっしり入っていたそうです。
資源調査をしたところ確かに駿河湾の深海にはサクラエビが群れていることがわかり、サクラエビ漁が始まりました。

さて、巷のイタリアンレストランでは春のパスタフェアが真っ盛り。
しらすや蛍烏賊などもそうですが、桜海老に菜の花を合わせたパスタは日本の春を象徴する春パスタの定番にもなっています。
やはりこれを食べないことには春を迎えた気がしませんよね。

Ingredienti (per 2 persone)

リングイーネ220g
釜揚げサクラエビ80g
菜の花1/2束
新玉ねぎ1/2個
オリ-ブオイル大さじ4
にんにく1片
唐辛子1本
適量
黒胡椒適量
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

にんにくはスライスに、菜の花は適当にざく切りにします。
唐辛子は種を除いて小口切りにします。

深鍋でパスタを茹で始めます。
フライパンにオリーブオイルをしいて弱火にかけ、唐辛子とにんにくを加え、にんにくの香りが出できたらサクラエビを加えます。
サクラエビの1/4ほどを木べらで潰しペースト状にしていきます。
菜の花は先に茎の部分を加え時間差で葉も加えて軽く混ぜ合わせます。
海老に塩気があるので味を見て必要なら塩と胡椒をふります。

パスタのグルテンが十分に溶け出た頃合いの茹で汁をフライパンに加えフライパンを小刻みに揺すってソースをとろりと乳化させます。
パスタは表示よりやや早めに上げ、フライパンに移したら手早くあおりソースを吸わせながら煮含めていきます。
もう一度味を見て必要なら塩で味を調整します。

皿に盛って黒胡椒を挽きかけ、オリーブオイルをさっとまわしかければ出来上がり。

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