2014年11月8日土曜日
Cozze alla Tarantina ムール貝のトマト煮込み ターラント風
半開きの貝をこじ開けて、手でつまんでスプーンのようにトマトソースをすくいながら食べるのが美味しい食べ方、確実にワインが止まらなくなります。笑
イタリアでムール貝の産地といえばナポリやヴェネチア、サルデーニャ島のオリスターノなどが知られていますが、一番有名なのがプーリア州の港湾都市ターラント。
例えばパスタなどでメニューに "Cozze" =ムール貝と書いてなくても "alla Tarantina" ターラント風と書いてあったらムール貝のパスタ料理と決まっている、というぐらい有名です。
ターラントは外洋の "Mar Grande"(大きな海)と瓢箪型をした小さな汽水湖 "Mar Piccolo"(小さな海)に挟まれているので、二つの海の街とも呼ばれています。
この "Mar Piccolo" がムール貝や牡蠣などの養殖に適していて、なんと古代ローマ時代から1000年以上もの間 ムール貝の養殖が行われてきたそうです。
オストゥーニの真っ白な街並みと抜けるような青い空のコントラストのイメージが強いプーリア州。
どのへんに位置しているかというと、イタリア半島の南東端、ちょうどブーツのかかと部分にあたります。
魚介類はもちろんですが、山がほとんどなく広大な平野と地中海性気候が美味しい農産物を育みます。
とくにオリーブや硬質小麦(デュラム小麦)はイタリア国内一の生産量を誇り、良質なオリーブオイルが生産され、またディベラやグラノーロなど著名なパスタメーカーがプーリア州に本拠を構えています。
もちろんワインの生産量もイタリア国内トップクラス。
かつては大量消費用の安いワインの産地というイメージでしたが、最近ではプーリアならではの土着品種を使った高品質なワインも数多く生産されています。
さて、プーリア州にはターラントのほかにもレッチェなどムール貝の産地が点在するだけあって、ムール貝を使った郷土料理がたくさんありますが、ターラント風といえばこのトマト煮込み。
なんの工夫もないシンプルな料理ですが、新鮮な素材ならあれこれ手をかけるより素材そのものの味を楽しみたいですね。
もちろん鍋に残ったソースには貝の旨味がたっぷり溶け出ているので、パスタソースにして二度楽しみます。
Ingredienti (per 4 persone)
ムール貝 | 1kg | ||
白ワイン | 1/2カップ | ||
にんにく | 1片 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
トマト缶 | 1缶 | ||
唐辛子 | 1本 | ||
塩胡椒 | 適量 | ||
イタリアンパセリ | 10枝 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
ムール貝はヒゲのような足糸を引き抜いて取り除き、殻をたわしでよくこすって流水で洗います。にんにくは芽をとってから包丁の腹で潰します。
イタリアンパセリは粗みじん切りにします。
大きなフライパンか深鍋にオリーブオイルとにんにく、唐辛子を入れてごく弱火で加熱します。
にんにくの香りが立ったらムール貝を静かに置き入れ、ワインを注いで蓋をして強火で蒸し煮にします。
貝が開いたら一旦取り出して、フライパンに残ったスープにトマト缶をジュースごと加え、さらにイタリアンパセリの葉(半量)と茎を加え、木べらでトマトを潰しながら中火で10分ほど煮込みます。
ソースの量が減ってどろっとした感じになったらパセリの茎を取り出し味を見て塩胡椒で調整します。
ムール貝をフライパンに戻し入れて全体がソースに浸るようレードルで混ぜながらソースに絡めて、味を馴染ませたら出来上がり。
スープ皿のような深さとリムのある皿にムール貝を豪快に盛り付けて、パセリを散らしエキストラヴァージンをまわしかけます。
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