2015年8月15日土曜日
Peperonata 焼きパプリカのマリネ ペペロナータ
焼いたパプリカはもはや野菜とは思えないほど甘くてまるでフルーツ、太陽をいっぱいに浴びた夏野菜の底力を感じる一品です。
原色系のカラフルな色合いが地中海料理によく似合うパプリカですが、生粋のイタリア野菜かと思いきや中南米が原産なんですね。
言われてみればパプリカもピーマンも唐辛子の仲間。
唐辛子なら、ハラペーニョとかピメンタとか品種も豊富な中南米が本場なのはみな知っていますよね。
ヨーロッパに伝わったのはコロンブスが新大陸を発見した15世紀末。
トマトやじゃがいもなどもこのとき一緒に伝わったんだそうです。
ところで、パプリカもピーマンも唐辛子も同じ仲間だと書きましたが、仲間どころか実は同じ"種"だというから驚きです。
分類学上はみんなナス科トウガラシ属トウガラシという植物、パプリカやピーマンや唐辛子は品種が違うにすぎないんです。
そういえば英語ではパプリカもピーマンも唐辛子も同じ "Pepper"。
ぴりっと辛いつながりで胡椒も "Pepper" だったりします。
フルスペルで"Bell Pepper" や "Chili Pepper"、"Black Pepper"などと区別する場合もありますが、それだとくどい感じに聞こえるのであまりそうは呼ばないみたいですよね。
そんなんじゃ飲食店なんかの仕入れで業者にパプリカを1kg注文したら 唐辛子や胡椒が1kg届いちゃったりしそうですよねぇ。笑
大雑把な西洋人と比べて日本人は几帳面なので、そういうのはきっちり呼び分けるんだろうと思いきや、青唐辛子が原料なのに柚子胡椒という名前のものがありましたね。笑
昔の人は辛い=唐辛子も胡椒もひと括りだったんでしょうか。
ちなみにイタリア語だとパプリカは "Peperoni" ペペローニ。
唐辛子は "Peperoncini" ペペロンチーニで、胡椒は "Pepe" ペペ。
微妙に違うけどやっぱり似てる。笑
さて、ペペロナータはイタリア全土で頻繁に食卓に上るほどの定番総菜ですが、どんな料理かという点では結構アバウト。
ペペローニを主に使った料理ならみんなペペロナータと呼ばれます。
例えば茄子など野菜のごった煮カポナータもペペローニの割合が多いとペペロナータと呼ばれたりするほどです。
当然ながらレシピのバリエーションもやたらと豊富で、なんでもありの様相を呈していますが、それでも大別するとペペロナータの調理法は大きく二種類のパターンに集約できそうです。
ひとつはカポナータのように煮込んで作るタイプ。
肉厚でぱんとした実がくたくたになるまで煮込んで甘みがのったものは抜群に美味しいですよね。
そしてもうひとつが、今日のように直火で焼いて中を蒸し焼きのようにすることで甘みを凝縮させたタイプ。
こんなに焦げちゃっていいのかと思うほど真っ黒に焼いて冷水にとると皮がつるんと剥けてとろとろの実が出てくるので、それを酸味の利いたヴィネガーやオリーブオイルでマリネします。
何かに似てるなぁと思ったら日本の夏の風物詩 焼き茄子。
黒焦げにして皮を剥いてよく冷やしてからぽん酢で食べるところなんかそっくりですよねぇ。
こんなところにも、和食とイタリア料理の共通点がありました。
Ingredienti (per 4 persone)
パプリカ | 赤2黄2 | ||
にんにく | ごく少量 | ||
白ワインヴィネガー | 1/4カップ | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
プレッツェーモロ | 5枝 | ||
塩胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
パプリカはまるごと黒焦げになるまでグリルします。炭火などで網焼きにするか、家庭で室内調理するなら魚焼き用グリルがムラなく綺麗に早く焼けます。
パプリカは高さがあるので、最初トースターなどで焼いてしんなりしてから魚グリルに入れるとうまくいきます。
真っ黒に焼けたら冷水にとって手で薄皮を剥き、包丁でヘタを落として中のタネなどを取り除きます。
実を縦に細長く割いてキッチンペーパーで水気をふきとっておきます。
マリネ用のドレッシングを作ります。
ボウルにワインヴィネガーを注ぎ入れ、まず塩を加えてよく混ぜます。
次にすりおろしたにんにく、オリーブオイル、胡椒を加えて、とろりと乳化するまで撹拌します。
パプリカとドレッシングを合わせて冷蔵庫で味を馴染ませます。
焼いたパプリカの甘み、塩気、酸味のバランスがいいかどうか味見して足りなければ塩を足すなどして味を調整します。
十分に冷えたら皿に盛って、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)の粗みじん切りを散らせば出来上がり。
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