2016年8月13日土曜日

Pasta alla Norma 茄子とトマトとリコッタが奏でるノルマ風スパゲッティ

香ばしく素揚げした茄子がアリアなら真赤に熟したトマトやバジリコにオリーブオイルの香りがアンサンブル、素材が調和したパスタの傑作はオペラの名作ノルマの名に相応しい逸品です。
仕上げに散らす塩気の強いリコッタもこのパスタには欠かせない要素、これでぐっとシチリアっぽい雰囲気になります。

パスタとかピッツァで茄子が入ったものはシチリアーナ=シチリア風と呼ばれることが多いですよね。
ナスはインド原産なんですが、イタリアへはアラブからまずシチリアに伝わり現在もシチリアがナスの一大産地であることから、ナスといえばシチリアというイメージが定着しています。
そういえば茄子のパルミジャーナやカポナータといった有名な茄子料理もシチリアの郷土料理ですしね。

この茄子とトマトのパスタもシチリア東部カターニャの郷土料理。
カターニャ出身の著名人にオペラ作曲家の天才ベッリーニがいますが、彼がどれぐらい有名かというと、福澤諭吉のように肖像画がイタリアの紙幣に印刷されていたこともあるほどで、カターニャの人々にとってはベッリーニが地元出身であることが誇りで仕方ないんですね。
そのベッリーニの代表作がノルマ。
マリアカラスも何度も演じたソプラノのアリア(ソロで歌われる見せ場のパート)"Casta Diva" が有名なベルカントオペラの最高傑作です。
どんなストーリーかというと、ロミオとジュリエット風に敵対する国に属する男女の禁断の愛のお話で、時は紀元前、現在のフランスやスイスとの国境にほど近い北イタリアのドルイド教の森が舞台。
ヒロインのノルマは敵国ローマ帝国の支配に抵抗する修道女のリーダーにしてローマの総督ポリオーネとは二人の子までいる内縁関係にあり、そのポリオーネが若き修道女アダルジーザに心を移し、三角関係からのヒステリーあり修羅場あり、幕切れでは愛を貫き通す=祖国への裏切りを意味することから悲しい結末を迎え聴衆の涙を誘います。

さて、茄子にトマトにバジリコ、にんにく、オリーブオイル、さらには本来はフレッシュチーズであるリコッタを塩漬けにして少し熟成させたリコッタサラータという独特のチーズが奏でるパスタの傑作は、地元が誇るベッリーニの名作の名をもらってノルマ風と名づけられました。
とくに高価な食材を使っているわけでもないごく普通のパスタですが、相性抜群の素材たちが調和して名前負けしていない一皿です。

Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ250g
トマト大4個
にんにく2片
バジリコ20枚
オリーブオイル大さじ4
塩胡椒適量
パスタの茹で汁レードル2杯
per la Ricotta Fatta in Casa ( 200g )
牛乳1l
レモン汁50ml
小さじ2

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

リコッタサラータは入手が難しいので、塩気のきいたリコッタ風チーズを手作りします。
鍋に牛乳、レモン汁、ひとつまみの塩を加え、ときどきかき混ぜながら沸騰させないよう中火にかけていると数分で牛乳が固形物(カード)と半透明の液体(ホエー=乳清)に分離してきます。
布巾をかぶせたザルなどで濾して、ホエーがぽたぽた垂れなくなったら布巾ごと軽く絞り、ちょっとしょっぱいかなと感じるぐらいの量の塩を加えて全体を馴染ませてから成型し、冷蔵庫で寝かせておきます。

ナスは楕円形の斜め輪切りにして水にさらしておき、キッチンペーパーで水気を拭き取ってサラダ油などでかりっと素揚げしておきます。
形よく綺麗なきつね色に揚がったものは仕上げの飾り用に、それ以外はもう半分の大きさに切り分けてソースと一緒に煮込み用にします。
トマトは皮を湯剥きしてから適当にざくざく切って、にんにくは包丁の腹で潰しておきます。

フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ弱火にかけます。
オイルに香りが移ったらにんにくを取り出し、ざく切りトマトを加えて中火で10分ほど煮込みます。
途中でソース用のナスと手でちぎったバジリコを加えます。
隣でパスタも茹で始め、数分が経過したら茹で汁をレードルですくってフライパンに加え、しゃばしゃばの状態にして塩胡椒で味をつけます。
アルデンテより一歩手前まで茹で上がったパスタをフライパンに移し、ソースをパスタに吸わせながらマンテカーレします。

皿に盛って茄子を乗せ、リコッタを散らしてバジリコを飾ります。
黒胡椒を挽いてエキストラヴァージンをまわしかければ出来上がり。

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