2016年12月3日土曜日

Tagliatelle alla Crema con Canestrelli e Radicchio 小柱とラディッキオのクリームソース タリアテッレ

帆立を小粒にしたようなぷりぷりの小柱にほんのり苦みのある季節野菜ラディッキオを合わせた、ちょっと冬のヴェネチアの香り漂うクリームソースのパスタ。
江戸前天丼のかき揚げに欠かせない小柱も今やちょっとした高級食材、その小柱を帆立に見立ててたっぷり使った冬のスペシャリテです。

帆立とラディッキオロッソのクリームソースのパスタはこの時期わりとよく見る定番の組合せですよね。
帆立もラディッキオも冬のヴェネト州を代表する食材ですが、とりわけラディッキオはバッサーノ産のホワイトアスパラガスと並んで世界中にその名を知られるDOPやIGP指定のヴェネト州の特産品。
赤紫色と白のコントラストが鮮やかなイタリア野菜で、形はキャベツや白菜といったアブラナ科の野菜に似ていますがキク科のチコリの仲間でちょっとほろ苦さのある冬野菜です。
日本ではトレビスという呼び名の方が馴染みがありますが、トレビスはヴェネト州にある地名トレヴィーゾのフランス語読み。
ラディッキオは産地により特徴が異なる品種がいくつかあるんですが、そのいずれもがヴェネト州内の産地の名前がつけられていて、代表的な産地(品種)がトレヴィーゾなんです。

菊の花弁のように繊細で息をのむような美しさが印象的なラディッキオトレヴィーゾタルティーボは、ヴェネト州が得意とする高度な軟白栽培技術によって作り出される高級野菜。
同じトレヴィーゾのラディッキオトレヴィーゾプレコーチェはチコリをそのまま赤く染めたような楕円形の早生品種。
紫キャベツに似た球形のキオッジャはラグーナに面した漁師町が産地の普及種で日本でもおなじみの品種、今日使ったのもこのタイプです。
ロミオとジュリエットの舞台にもなった愛の都ヴェローナが産地の品種もあります、こちらはキオッジャのように葉が密に締まった球形でなくサニーレタスのようにふんわりした楕円形が特徴です。
城壁と塔の町カステルフランコで作られるラディッキオヴァリエガートカステルフランコはまるで白地に赤い斑の入った薔薇の花のよう。
チコリというよりレタスのような感じでサラダなどに使います。
日本では手に入りにくかったり高価なものもありますが、機会があれば是非とも並べて鑑賞したり食べ比べたりしてみたいもんですねぇ。

さて、小柱は帆立の稚貝の貝柱だと思ってる方もいるかと思いますが、ホタテではなくアオヤギという別の貝の貝柱なんです。
同じ貝柱なので味は帆立に似ていなくもないのですが、江戸前天ぷらのかき揚げには小柱は不可欠で、小柱の代わりに帆立の貝柱で代用してもあのかき揚げの味にはならないとさえ言われています。

帆立とラディッキオは産地も季節も同じなので一緒に料理に使うことも多くクリームソースのパスタも定番のひとつですが、今日は帆立よりも貝の旨みが強い小柱を使ったちょっと通好みのリチェッタ。
濃厚なバターとクリームのソースに埋没することなく小柱の貝の出汁がしっかり感じられるクラムチャウダーのようなソースに。
ラディッキオの苦みとも相まったちょっと大人向けの一皿です。

Ingredienti (per 2 persone)

タリアテッレ(生)350g
小柱80g
ラディッキオ適量
玉ねぎ1/2個
バター20g
白ワイン大さじ1
適量
黒胡椒適量
パルミジャーノ適量
パスタの茹で汁レードル1杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

玉ねぎは粗みじん切り、ラディッキオはやや細めのざく切りにします。
パルミジャーノはパウダー状に削っておきます。

フライパンを火にかけてバターを溶かし玉ねぎを炒めます。
小柱を加えて香ばしく焼き目をつけ、ラディッキオ(仕上げに乗せる分をとっておく)も加えてさっと炒めます。
フライパンに白ワインを注いでアルコール分を飛ばしてから生クリームを加え、ふつふつしてきたら一旦味を見て塩胡椒で調整します。
小柱に火が入り過ぎないよう、スピーディーに調理する自信がなければ一旦取り出しておきます。

パスタを茹でグルテンが十分に溶け出た頃合いの茹で汁をフライパンに加えてソースをのばします。
生パスタなのであまり歯ごたえを残す必要はないですが、フライパンで火を入れていく分早めに上げて、ソースを吸わせながら煮含めます。
削ったパルミジャーノを加えてさらによく和え、もう一度味を見て必要なら塩胡椒で調整します。

皿に盛って黒胡椒を挽きかけ、ラディッキオを飾ってパルミジャーノを削りかければ出来上がり。

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