2017年5月20日土曜日

Bruschetta con i Bianchetti 釜揚げしらすのブルスケッタ

大蒜の香りを移したオリーブオイルに汁気を足してしらすをふっくらと煮含め、バゲットにこんもり乗せたしらすのブルスケッタ。
季節の変わり目らしくちょっとスパイシーなオレガノの香りをつけて、かりかりに炙ったパンにスープが少し染み込んだら食べ頃です。

何度目かの冬を越して今年もまた芽吹いてくれた多年草のオレガノ。
このところの陽気で勢いを増し盛んにシュートを伸ばしています。
ハーブは生葉のほかギャバン製品のような乾燥スパイスもありますが、当然ながら両者は香りがかなり異なります。
どっちが良くてどっちが劣っているとかではなく、それはそれでこれはこれって感じですが、例えば生の葉を使うレシピなのに乾燥スパイスで代用したりすると全然違う味の料理になってしまうということです。

イタリア料理でハーブを使う場合はだいたい生の葉を指していますが、オレガノだけは例外的に乾燥スパイスを指すのが一般的。
葉よりも花を乾燥させたものが香りが強く品質がよいとされ、とりわけシチリア産の花オレガノなんかが有名です。
日本の市販製品だと花ではなく葉を乾燥させたものが多いようですが、いずれにせよ乾燥オレガノは香りが強いのでマリナーラソースのような味の濃いトマトソースに使うと抜群の相性を呈してくれます。
逆に生の葉は力強さはないけどほんのり優しい香りが薄味の料理向き。
ちなみにオレガノは、もう少しすると可憐な白い花房をびっしりつけるようになるので、満開になったらこれを剪定して軒先に吊るしておけばポプリみたいな自家製の花オレガノのスパイスができます。
ピッツァやトマトソースに使うと、葉を乾燥させた市販品では出せないような本格的な味になる(かもしれない笑)ので、オレガノを栽培している方は是非とも作ってみてください。

さて、春が旬とされるシラスですが、実は禁漁期間である真冬を除いてほぼ一年中漁獲されます。
小さいうちにそんなたくさん獲っちゃって大丈夫なのかって話ですが、成魚のカタクチイワシは3日おきに8000個もの卵を産み落とし、その卵も3日で孵化して1ヶ月で25ミリ前後のしらすに成長するそうです。
なんだか大丈夫そうな気がしてきましたね。笑
そして漁獲量が最も多くなる漁の最盛期はちょうど今頃の5月。
たくさん獲れるということは値段も手頃になり店頭に並ぶ種類も増えて選択肢が広がりますので、大きさや産地が好みのものを選んでみたり、日替わりでいろんな料理に使ったりしたいですね。

しらすはイタリアでもおなじみの伝統的な食材で、マリネやオムレツ、かき揚げのように油で揚げたフリッテッラ、パスタなどが定番ですが、今日のブルスケッタはそのパスタを作る工程とほぼ同じ。
オリーブオイルを弱火にかけて刻んだにんにくの香りを出し、しらすとミニトマトをさっと炒めてから、パスタの茹で汁を加える代わりに水分を加えてふっくら煮含めていきます。
パスタの場合はパスタにソースの旨みを吸わせたいので、しらすの形が少し煮崩れるぐらいまでしっかり煮込んでしらすの出汁をスープに溶け出させるのですが、ブルスケッタでもそこは同じ。
かりっと炙ったバゲットにこぼれ落ちるほどたっぷりしらすを盛って、旨みが詰まったスープがパンに少し染み込んだら食べ頃です。



Ingredienti (per 2 persone)

釜揚げしらす150g
ミニトマト10粒
にんにく1/2片
オリーブオイル大さじ3
オレガノ2枝
バゲット1/3本
レモン1/4個
適量
黒胡椒適量
2カップ

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

フライパンにオリーブオイルをたっぷりしき、みじん切りのにんにくを加えて弱火にかけます。
にんにくの香りが立ったら半分にカットしたミニトマトとしらすを加え中火でさっと炒め、水を1カップほど注ぎ入れて煮含めていきます。

軽く塩をして木べらなどでしらすを潰すようにしながら煮詰めていき、水分が少なくなったら水を足します。
しらすが煮崩れたような感じになってきたらオレガノを加え、スープが煮詰まったら塩胡椒で味を調整して火を止めます。

バゲットを斜めにスライスしてグリルパンで焼き目をつけます。
ブルスケッタなのでにんにくを擦りつけてもよいです。
しらすをこんもりと乗せて黒胡椒を挽きかけ、オリーブオイルを垂らしかけてレモンを搾れば出来上がり。

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