2017年5月28日日曜日

Casarecce con Gamberi e Zucchine 海老とズッキーニのカサレッチェ

さいの目に刻んだズッキーニと香味野菜のソフリットに茹で汁を足してくたくたになるまで煮含め、叩いてぷりぷり感が増した海老を合わせた南イタリアっぽい雰囲気のラグーのパスタ。
ソースに溶け出た海老の旨みとくたくた野菜の甘みをパスタに吸わせて爽やかなレモンの香りでまとめた初夏の一皿です。

露地ものの夏野菜が出まわる季節がやってきましたねぇ。
夏野菜って盛夏の頃がいちばん美味しくなると思われがちですが、実は多くの植物は気温とかよりも日照時間の長さで季節を感じているため、一年でいちばん昼が長くなる夏至の頃が旬。
ただ梅雨入りの時期とも重なるため晴れの日がそう多くなく、天候不順や長雨が品質に悪影響をおよぼすこともあるので、からっとした晴天が続く今頃の方が何気に食べ頃だったりするんですよねぇ。
ちなみに今年の夏至は6月21日なのでもうあとひと月。
確かに朝もかなり早い時間から明るいですし、暦の上ではもうとっくに夏なんですよねぇ。(5月5日の立夏からが夏です)
艶つやしてみずみずしい夏野菜を積極的に料理に使って、今のうちから暑さに負けない身体づくりをしておきたいですね。

今日使ったズッキーニももちろん夏が旬。
原産地はヨーロッパではなく中央アメリカだそうなので、ペペローニや茄子などと同じで生粋のイタリア野菜ではないですが、今じゃすっかりイタリア野菜の代表みたいな大きな顔をしてますよね。笑
そんな外来のイタリア野菜の最たるものがトマト。
イタリアにトマトが伝わったことでイタリア料理が大きく変貌を遂げ、今ではトマト無しにはイタリア料理は成立しませんよね。
話をズッキーニに戻すと、見た目は細長いのできゅうりに似ていますがきゅうりはウリ科キュウリ属、ズッキーニは同じウリ科でもカボチャ属ということなのでかぼちゃの仲間になります。
イタリア語でかぼちゃはズッカで、これに小さいという意味の接尾語がついたのがズッキーニ、つまり小さい(細い)かぼちゃという名前。
Zucchini(単数形はZucchino)と男性名詞で呼ぶこともありますが、語源である Zucca が女性名詞なので Zucchine(単数形はZucchina)と呼ぶ方が一般的のようです。

さて、今日はそんなズッキーニをくたくたに煮崩したラグー。
パスタもカサレッチェを合わせた南イタリアっぽい雰囲気のソースで、これだけでも十分美味しいですが今日はさらにズッキーニと相性のいい海老をごろごろ加えたスペシャリテ。
海老は大きめの冷凍むきエビを使いましたが、そのままでは身が詰まり過ぎてて噛んだときの食感がもっさりしてるしソースの味も染みにくいので、背ワタをとるついでに切り込みを入れた側を下にして包丁の腹で少し押し潰して、さらに包丁の背で軽く叩いてあげます。
和食の天ぷらでも海老がくるっと曲がらないよう筋を切って真っすぐにしたり、身をひとまわり大きく見せて見栄えをよくする目的でこういう下処理をしますが、こうすることで組織が断裂して味が染みやすくなり軟らかく潰れた部分と詰まって硬い部分が混在することでぷりぷり感が強調されるんです。
太さが均一でない手揉み麺や刀削麺などの方がかえって普通に太いだけの麺よりもしこしこもっちりな印象が残るのと同じ理屈です。

普通はやや脇役のレモンですがスライスして真ん中に乗せてみました。
パスタに搾りかけちゃってもいいんですが、レモンを皿の縁(リム)に移動してフォークで刺した海老やパスタをちょんと押しつけて食べるのがお勧め。
各人のお好みでレモンの爽やかさを足しつつ初夏の味を堪能できます。

Ingredienti (per 2 persone)

 
カサレッチェ250g
冷凍むきエビ(大)150g
ズッキーニ1本
玉ねぎ1/2個
にんにく2片
オリーブオイル大さじ4
白ワイン適量
レモン1/4個
適量
黒胡椒適量
パスタの茹で汁レードル3杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

にんにく、玉ねぎはみじん切りに、ズッキーニはさいの目に刻みます。
むきエビは解凍して包丁で切り込みを入れて背ワタを取り、包丁の腹でまな板に押し付けて軽く潰します。
さらに包丁の背で叩いてぷりぷり感を出し、三等分に切り分けます。
切り分けた海老は白ワインに浸して洗いザルに上げておきます。

フライパンにオリーブオイルを多めにしいて、弱火でにんにくの香りを出した後に玉ねぎを加えて中火でソフリットします。
玉ねぎがくったりしたらズッキーニも加えて軽く炒めます。
パスタを茹で始め、数分経ってグルテンが溶け出た茹で汁をレードルで3杯ほどフライパンに加えてくたくたになるまで煮含めます。

パスタが茹で上がる頃合に海老もフライパンに加えてさっと火を通し、硬めにあげたパスタも加えて、ソースの旨みをパスタに吸わせるようにマンテカーレし塩胡椒で味を調整します。
皿に盛ってスライスしたレモンを乗せ、黒胡椒を挽きオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。

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