2018年2月3日土曜日

Latte di Pesce in Padella al Burro 白子のソテー アルブッロ

新鮮な真鱈の白子に小麦粉をまぶし、オリーブやケイパーのほろ苦さをアクセントにバターでかりっと焼き付けた白子のソテー。
白子が本当に美味しいのは厳冬期のごく短い間だけ、口の中でまったりとろけてバターとの相性も抜群の季節限定の一皿です。

今日2月3日は節分ですので明日はもう立春。
暦の上では明日から春ということになるわけですが、記録的な大寒波で都心でも大雪が降ったばかりだというのに今週もまた雪と、寒さが緩むそぶりなど一向になく実感がないんですよね。
まぁ、それも無理のない話で、立春とは春が始まる日ではあるんですが気温が底を打って反転上昇に向かう日のこと。
二十四節気では1年で最も寒い30日間を寒と呼んでいて、今年は1月5日の小寒で寒の入りとなり1月20日の大寒が中日、今日の節分でようやく寒が明けたと思ったらその翌日がもう立春なんです。
つまりいちばん寒い時期と隣り合わせなので寒くて当然なんですね。
でも四季を三ヶ月ごととするなら、感覚的にはいちばん寒い日=大寒が真ん中で前後一ヶ月半づつの期間を冬と考えるのが普通だと思うので、それだと12月5日頃から3月4日頃までが冬で3月5日頃からが春。
暦より一ヶ月ぐらい遅いですが感覚的にはちょうどいい感じです。
なお、現代では学校などの社会生活はカレンダーに沿ってまわるので、季節の変わり目も月が替わるタイミングに合わせた方が都合がいいため国は12月から2月までが冬、3月から5月までを春と定めています。

さて、水は空気よりも温まりにくく冷めにくいため、大気よりも海水の温度は遅れて追随することになり、海は今がまさに厳寒の時期。
流氷漂う北の海で揚がるタラが最も美味しい季節です。
鱈には主にマダラとスケソウダラがいますが、後者はどちらかというと卵=タラコに価値があり、身は蒲鉾などの原料に利用されます。
一方のマダラはご存知のとおり非常に美味しい魚で鱈ちりなどで美味、この時期は店頭に並ばない日はないですよね。
真鱈は卵も食用にされますが、先ほども書いたようにタラの子=タラコといえばマダラではなくスケソウの卵の方。
マダラの真子はやたらでかいしナマコのようにグロテスクな模様もあり味もタラコより劣るためあまり人気がありません。
マダラで価値があるのはなんといっても雄の白子の方。
痛風が心配な男性にとっては悩ましい食材ですが、さっと湯通しをして紅葉おろしとポン酢で食べると美味しいですよねぇ。

白子は秋口あたりから赤っぽい色のものが出まわりますが、寒くなると綺麗な乳白色になってきて市場価値がぐんと高まります。
旬は短く、春めいてくる頃には水っぽくなって味が落ちてしまうため、ちょうど今が短い旬の真っ最中というわけです。
ちなみに安いスケソウや鮭の白子もたまに目にしますが、白子といえば西ならフグ、東では真鱈に限りますし味も値段も全然違います。
安い白子を食べて白子って魚臭くてまずいと思い込んでる方がいたら、是非本物の白子を味わってみていただきたいです。
味にくせもなくぷりぷりしてクリーミーで口の中でとろけます。

そんな極上のマダラの白子の食べ方ですが、先にも書いた通り霜降りにして紅葉おろしと小葱を添えてポン酢で食べるのが王道。
ほかにも鱈ちり鍋の具に加えたり、天ぷらやムニエルなども定番ですね。
油で揚げたり焼いたりすると表面がかりっとなるのに中はとろりとしていて食感の対比も楽しめるので、イタリア料理に仕立てるならフリットかムニエルがお勧め。

天ぷらもそうですがフリットも山菜や春菊など苦みのある野菜と相性がいいので一緒に揚げて盛合せにすると見栄えもよくなります。
また、白子はバターとの相性がいいのでムニエルも捨てがたく、同様に苦みのあるオリーブやケイパーで白子の味がぐっと引き立ちます。

Ingredienti (per 4 persone)

マダラの白子200g
薄力粉適量
白ワイン1/2カップ
バター40g
オリーブ4粒
塩漬けケイパー大さじ2
レモン1/2個
プレッツェーモロ少々
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ケイパーはぬるま湯につけて塩抜きをし、レモンは搾っておきます。
オリーブは輪切りに、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)はみじん切りにしておきます。

ボウルに塩水をはって白子潰さないよう丁寧に洗います。
房のかたまりをつなげている赤い筋のようなものがあるので、ひと房がひと口大になるよう筋をキッチンばさみで切ります。
切り離したら筋そのものも切り落とし、ボウルに冷えた白ワインを注ぎ白子をもう一度よく洗います。

白子はキッチンペーパーで水気を拭きとって軽く塩胡椒で下味をつけ、薄力粉をまんべんなくまぶします。
フライパンを弱火にかけてバターを溶かします。
白子を置き入れてアロゼしながらじっくりソテーし、焼き色がついたら裏返して同様に焼き色をつけます。

半生程度に火が通ったら白子を皿に盛り、フライパンに残ったバターにオリーブ、ケイパー、レモン汁、プレッツェーモロを加えてソースにし白子の上からかけます。
仕上げに黒胡椒を挽けば出来上がり。

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