2018年2月10日土曜日
Ziti alla Spuntature al Ragu Napoletano スペアリブのナポリ風ラグー ズィーティ
長いマカロニといった感じのズィーティはこの料理のためにあるようなナポリのパスタ、そのまま茹でても食べにくいのでぽきぽき折ってから茹でてソースを絡めモッツァレッラを乗せてオーブンで焼きます。
先週の日曜日は立春だったわけですがいつまでも寒いですね。
寒い季節はどうしても煮込み料理が多くなります。
食べて身体が温まるのはもちろんですが、調理中はわりと長い時間火を使うので、暖房をそれほど強くしなくても副産物的に部屋全体が暖まるところもいいんですよね。
ガスの火だけでなくオーブンとかもそうで、夏場は敬遠されがちですが逆に冬は自然と火を長時間使う煮込み料理を作りたくなります。
その、調理中の熱まで利用して食べながら温まるのが鍋料理。
食卓の真中に置いて調理しながら食べるので、身体の中からも外からもぽかぽかになるし家族でひとつの鍋を囲んで食べる一家団欒なところがハートウォーミング、つまり心まで暖かくしてくれますよねぇ。
煮込み料理は一般的にはお洒落で洗練された料理とは真逆で、ほっこりした家庭的な雰囲気が漂うものです。
レストランで上品にポーションで食べるよりも、日本の鍋料理みたいに家族で取り分けながら食べる方が美味しいに決まってます。
そして日本の鍋料理のいいところは、具をあらかた食べ終わったあとの出汁がたっぷり出た鍋つゆの残りで作る〆のうどんや雑炊などですが、イタリアにもそんな一石二鳥の食べ方をする料理がありましたよね。
そう、それが今日のナポリ風ラグー、またの名を日曜日のラグー。
家族がそろう日曜日に朝早くからマンマが準備してくれるご馳走です。
ラグーというとボロネーゼのように牛挽肉を煮込んだソースをイメージしますが、ナポリのラグーは豚のかたまり肉をトマトで煮込みます。
北部に比べて経済的に貧しかった南イタリアでは何が混ぜられているかわからないミンチ肉は基本的に好まれず、肉の煮込みはもっぱら安心で安全なかたまり肉を使うのが普通だったためです。
肉はイタリア北部が牛肉中心なのに対し南に行くほど豚や羊が好まれ、内臓やソーセージを一緒に煮込んだりもします。
今日は豚のスペアリブを使っていて骨からいい出汁が出るので、旨みがたっぷり移ったソースを何かに流用しないともったいない。
肉をあらかた食べたら、残ったソースをパスタと絡めてチーズを乗せ、オーブンで焼いて大きなキャセロールのままテーブルに出します。
家族で取り分けて食べる光景は日本の鍋料理にもちょっと似ています。
使うパスタは太いマカロニをそのまま長くしたようなズィーティ。
日本ではあまり目にする機会がないですがこの料理のためにあるようなナポリの名物パスタなんです。
穴開きのロングパスタというとブカティーニがよく知られていますが、これはそれよりもはるかに太く、フォークで巻けないしソースが周りに飛び散ったりしてやたら食べにくいのが特徴。
そのため普通は半分か1/3とかにぽきぽき折って茹でて使います。
パスタが太いのでキャセロールが小さく見えますね。笑
でもこれでたっぷり四人前はあるかという大皿料理なんですよぉ。
Ingredienti (per 4 persone)
ズィーティ | 500g | ||
モッツァレッラ | 100g | ||
パルミジャーノ | 30g | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
per il Ragu | |||
豚スペアリブ | 1kg | ||
にんにく | 2片 | ||
玉ねぎ | 中1個 | ||
白ワイン | 1/2カップ | ||
水 | 2カップ | ||
ホールトマト | 2缶 | ||
乾燥オレガノ | 小さじ1 | ||
ローリエ | 2枚 | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
スペアリブは流水で洗って血のかたまりなどを取り除き、ザルに入れて熱湯をまわしかけ余分な脂を落とし、水分をふきとってから塩と胡椒を擦りつけておきます。にんにくと玉ねぎは粗みじん切りにします。
ホールトマトはザルにあけて手で潰し皮や種を取り除きます。
深鍋にオリーブオイルをしき、にんにくと玉ねぎをソフリットします。
しんなりしてきたらソフリットは一旦取り出しておき、オイルを足してスペアリブを強火で焼きつけます。
肉の表面に焼き色がついたら白ワインを注ぎ鍋底の焦げつき(旨み)を木べらでこそげとり、水を加えソフリットを戻し入れます。
煮立ったらホールトマト、ローリエ、乾燥オレガノを加え、軽く塩胡椒をして蓋をして弱火で2時間ぐらい煮込みます。
もう一度味を見て塩胡椒で調整すればラグーは出来上がり。
スペアリブをあらかた食べた残りのソースでパスタを作ります。
ズィーティを半分にぽきぽき折って茹でソースが残っている鍋に加えてよく混ぜ合わせます。
内側にオリーブオイルを塗ったキャセロールにパスタとソースを入れ、200℃に余熱したオーブンで10分ぐらい焼きます。
一旦取り出してパルミジャーノを削りかけ、モッツァレッラをちぎって適当に配置しチーズがとけるまでもう一度焼いたら出来上がり。
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