2018年7月28日土曜日

Tagliata alla Brace 南イタリア風グラスフェッドビーフの炭火焼き ブラーチェ

ストレスフリーでのびのび育ったグラスフェッドビーフの赤身の部位を香味野菜とオリーブオイルでしっとりマリネし、七輪の炭火で香ばしく焼き上げた南イタリア風のバーベキュー料理ブラーチェ。
ごろんと噛みごたえのある厚さにカットして岩塩と黒胡椒を挽きかけ、かりっと香ばしい焼き目の食感とジューシーな肉の旨みを味わいます。

ここ二週間ほど連日のように猛暑に見舞われていた日本ですが今週末は台風12号の接近で暑さの方は一段落ですね。
でも台風の通過後はまた暑い夏が戻ってきます。
暑いのはもううんざりと言いたいですが、まだ7月なんですよねぇ。
長くて暑い夏はまだまだ続きますよぉ。

さて、夏の暑い時期の食生活ってどんな感じでしょうか。
暑くて食欲がないからサラダや冷たい麺類ばかり食べてる、なんて人もいるでしょうし、逆に、にんにくでスタミナをつけたり激辛ラーメンやカレーなど辛いものを大汗かきながら食べるのも夏のひとコマ。
ビアガーデンで飲む冷たいビールには油っこい揚げものが合いますし、キャンプ場やビーチでがっつりバーベキューなんてのもありですよね。
さっぱり派とは真逆ですがどちらも夏らしい食の光景です。

バーベキューというと賑やかで大雑把なアメリカンフードってイメージですが、陽気なイタリア人も実はバーベキューが大好き。
イタリアでは夏はまさにバカンスとバーベキューのシーズン。
日本のように小さく切った薄切り肉をちまちま焼いたりせず、骨付きのビステッカやスペアリブや鶏もも肉を丸ごと豪快に焼いていきます。
スピエディーニと呼ばれる大きな串焼きやとぐろを巻いた生ソーセージもイタリアのバーベキューには欠かせません。
さすが肉食の土地柄ですが日本でこんな豪華なバーベキューをやったらちょっとした高級レストランに行けちゃうぐらい費用がかかりそう。
それに、せっかくかたまりで焼いた肉も噛みきれないから結局は小さく切り分けないとだし、そもそも量が多すぎてて食べきれなさそう。
硬い肉でも噛みちぎる顎力の強さと胃袋の容量の大きさ、食材の物価の安さがあればこそできる話ですよねぇ。

イタリア語ではバーベキューはグリッリア、もしくはいろいろな食材をあれこれ焼くのでグリッリアミストといいますが、主に南イタリアでは炭という意味のブラーチェと呼んだりもします。
とくにプーリア州ではブラーチェは郷土料理とされてますよね。
南イタリア料理の店のメニューに何か(肉や魚)のアッラブラーチェと書いてあったら、炭火焼きのことです。
もちろんお店なのでバーベキューコンロで黒焦げに焼いたものが丸ごと出てきたりはしませんよ。
イタリアンレストランのメイン料理によくあるなんちゃら肉のローストみたいに、美味しそうにカットされて出てきます。
ブラーチェの美味しさのポイントは、炭火でかりっと香ばしく焼かれた焦げ目の食感、赤外線の輻射熱が表面を均一に素早く焼き上げて旨みを閉じこめてからじっくり火が入ることによる味の濃さとジューシーさ、さらに炭の上に滴り落ちた脂が燃えるときの燻煙効果で秋刀魚の塩焼きや焼鳥、炭火焼肉などと似た香ばしさがあるところなんですよねぇ。

イタリアの肉料理には和牛のような霜降り肉は合いません。
肉の風味がしっかりある赤身の肉を使うのがイタリア風の肉料理。
狭い牛舎の中で穀物飼料を食べさせ脂肪を蓄えさせる育て方とは違い、そもそもが草食動物である牛を広大な牧草地で放し飼いにしてのびのび育てたのがグラスフェッドビーフ。
筋肉質で赤身が多く脂肪は少ないので、高たんぱくで低カロリー。
やや噛みごたえがある反面、肉本来の旨みにあふれています。
合わせるワインは同じプーリア州の土着品種プリミティーヴォ。
マンドゥーリアの優美な口当たりが低脂肪の赤身肉によく合います。




Ingredienti (per 4 persone)

グラスフェッド牛ランプ肉500g
にんにく1片
玉ねぎ1/2個
ローズマリー2枝
ローリエ2枚
オリーブオイル適量
適量
黒胡椒適量
ルッコラ1束
備長炭適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

グラスフェッドビーフは脂身が少なく断面が四角くて厚みのある赤身のブロック肉を購入します。
肉叩きで少し叩くと筋が断裂して軟らかくなります。

にんにくを包丁の腹で潰し、玉ねぎはざく切りにします。
ジップロックにこれら香味野菜、ローズマリー、ローリエ、肉を入れてオリーブオイオルを適量注ぎ入れ揉み込むようにして全体を馴染ませ、冷蔵庫ではなく室温で1時間ほど置きます。

バーベキューコンロや七輪などで炭火を起こします。
炭から炎が立ち上らず炭がごーごーと赤く唸っている状態で、トングで肉をつかんで網の上に乗せ、炭火の赤外線輻射熱で肉を焼きます。
焼き時間は肉の重量や厚み、火力、肉と炭との距離によっても違うので一概に言えませんが、一旦、四つの面をそれぞれ2分づつとします。
一度火からおろしてアルミホイルで包んで数分間休ませて、また焼くということを何度か繰り返します。
目安は竹串を中まで刺して透明な肉汁が出てくるようだと焼き過ぎで、赤い血の色味が変わってくる頃がちょうどいいです。

最後もしっかりと休ませてから分厚くカットし、ルッコラを敷いた皿にどさっと盛り付け、岩塩と黒胡椒を挽きます。
仕上げにオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。

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