2018年8月4日土曜日

Gnocchetti Sardi al Profumo delle Isole 夏鮪と唐墨のニョッケッティサルディ

さっぱりした味の夏の近海鮪のラグーをニョッケッティサルディというご当地パスタに絡め、たっぷりのカラスミをあしらった島風の一皿。
クミンのエキゾチックな香りがアクセント、エメラルド色のリゾートで冷えたヴェルメンティーノといただきたい夏のパスタです。

日本人にもおなじみのイタリアの観光都市といえば、ローマにミラノ、フィレンツェ、ヴェネツィアといったキラキラネームの有名どころや、ピッツァの本場ナポリ、宇多田ヒカルさんも結婚式を挙げたプーリア、チンクエテッレが美しいリグーリアといったところでしょうか。
イタリアへの渡航経験がかなり豊富な方でもおそらくそれほどなじみがないのがサルディーニャ島ですよね。
しかし欧米では高級リゾートとしてかなり知られた存在で、ターコイズブルーに輝く海と真っ白な砂浜は地中海の宝石とも呼ばれ、世界中からセレブがバカンスを楽しみに集まってくるこの世の楽園なんです。
そのセレブの面々たるやそのへんの小金持ちとはスケールが違います。
例えば、ロシアのプーチン大統領とか故ダイアナ妃といった国家元首や王室クラスのスーパーセレブをはじめビルゲイツのような有名資産家、ハリウッドスター、超一流アスリートといった面々がずらり。
皆さま自家用ジェットや大型クルーザーで乗りつけてらっしゃいます。
うーん、ゴージャス過ぎる。笑

高級リゾートの中心がコスタズメラルダ=エメラルド海岸。
手つかずの自然のビーチをアラブの富豪がリゾート開発したものです。
サルディーニャ島は歴史的に様々な民族からの侵略に何度もさらされてきたこともあり、島民は危険な海沿いではなく山間の内陸部に暮らし、主に羊の放牧などで生計を立ててきました。
美しいけど人が住まないし何もない海岸沿いの荒地はリゾート開発にはうってつけだったというわけです。
一方で、内陸部に引きこもった人たちの羊にかける情熱もはんぱなく、サルディーニャ島で放牧されている羊の数はイタリア国内で最大規模、人よりも羊の数の方が多いという文字通り羊飼いの島なんです。
そんな島民たちの日常食は今も肉やソーセージやチーズ(ペコリーノ)にパンなどであり、魚介料理なんてのはたまにお店で食べる他所行きの食事なんですねぇ。

とはいえ観光ビジネスにおいてはやはり魚介料理が需要の中心。
有名なサンピエトロ島のカルロフォルテやスティンティーノは伝統的にマグロ漁の町として栄えてきましたし、フラミンゴの生息地で知られる湿地帯のオリスターノでは海水と淡水が混ざる汽水域で獲れるウナギやボラ、その卵巣で作るボッタルガなどが島の名物になっています。
伊勢海老やオマールも島の象徴的な食材でカタラーナなど有名な料理もありますし島名の語源でもあるサルデ=イワシ料理も外せないですし、アサリのソースでいただくフレーグラというご当地パスタも定番です。

さて、今日はそんな夏のサルディーニャ島のイメージにぴったりくる、夏の近海マグロのオイルソースにカラスミをあしらったパスタ。
使うパスタも島特産の硬質小麦と水だけで作るサルディーニャの小さなニョッキという意味のニョッケッティサルディ
さっぱり味の夏マグロに薬味代わりのバジリコの香りを添えカラスミの熟成味ある塩気とアラブの雰囲気漂うクミンの香りがアクセント。
ちょっと混沌とした島の歴史も皿の中に詰め込みます。




Ingredienti (per 2 persone)

ニョッケッティサルディ250g
生マグロ60g
にんにく1片
ミニトマト6粒
オリーブオイル大さじ4
バジリコの葉20枚
適量
黒胡椒適量
クミンシードひとつまみ
レモン1/2個
ボッタルガ適量
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

刺身用のマグロを平造りに引いてからひと口サイズに切り分けます。
ミニトマトは縦半分にカット、にんにくはスライスし、クミンシードは細かく刻み、ボッタルガはすりおろしておきます。

フライパンを弱火にかけてオリーブオイルをたっぷりしき、にんにくを置き入れて香りを出します。
隣で深鍋に湯を沸かしショートパスタを茹で始めます。
フライパンに刻んだマグロの身を置き入れ、色が白っぽくなってきたらトマトとクミンも加えてさっと炒めます。
パスタの茹で汁をレードルですくってフライパンに加え煮含めるようにしながらフライパンを揺すってソースをとろりと乳化させます。
ソースの味を見て塩胡椒で調整します。

パスタを表示時間より少し短く茹で上げ、湯切りしてフライパンに移しソースをパスタに吸わせるようにマンテカーレします。
もう一度味を見て必要なら塩で調整し、ちぎったバジリコの葉も加えてフライパンをあおります。

皿に盛って黒胡椒を挽き、香りの良いヴァージンオイルをまわしかけ、すりおろしたカラスミをたっぷり散らし銀杏に切ったレモンとバジリコの葉を添えれば出来上がり。

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