2018年7月15日日曜日

Pasta alla Pantesca 完熟トマトとケイパーの冷製スパゲッティ パンテッレリア風

真赤に熟したトマトを塩とレモン果汁とオリーブオイルでマリネして、漬け汁ごときんきんに冷やしてから茹でたて熱々パスタを手早く絡めたちょっぴり冷製のパスタ料理。
塩漬けのケイパーがたっぷり入るところがパンテッレリア風、パスタはカペッリーニではなくむしろむっちり太めという男前な一皿です。

今年は早い時期からトマトが安かったですよね。
スーパーなどでトマトが箱売りされるのなんて、通常の年ならだいたい供給過剰になってくるお盆の8月中旬あたりの頃。
でも今年は5月にはもう既にそんな光景を目にしていました。
実際、今年のトマトは例年より3割ほど出荷量が多かったそうです。
なぜそんなに豊作だったかというと、今年は春先から雨があまり降らずトマトの栽培に適した晴れて暖かい気候が続いたから。
そういえば今年は桜の開花もずいぶんと早かったですしね。
梅雨入りも梅雨明けもやたらと早かったし台風の襲来も早かったので、今年は全体的に季節が前倒しになってるんでしょうかねぇ。

箱売りトマトの値段は6個×4列の24個入りで600円とか700円とか。
1個100円ぐらいが通常だとするとその1/4とかの計算です。
これだと儲けなしの投げ売り価格か、もしかすると収穫すればするほど赤字なんてことになってたかもしれませんね。
でも、獲らないで放置しておいても腐らせるだけだし、養分が分散して次の実つきも悪くなるので、収穫するしかないんですよね。
まぁ農業も自然が相手なので人間の都合のいいようにばかりはいかないですし、良いときもあれば悪いときもあります。
今年のトマトは良過ぎてだめだったパターンですね。
でも、すべて順調でないと成り立たないようではビジネスモデルとして破綻してることになりますので、この程度のことは生産者も想定内。
ちゃんとリスクヘッジしてますので心配や同情は無用かと思いす。

一方、生産者には申し訳ないですが、消費者にとっては物の値段が安いというのは嬉しい限りですよね。
せっかくなので、まずは氷水に何個もどぶ漬けして、きんきんに冷えたところを塩をひとつまみふって贅沢にかぶりつきたいですね。
たくさんあるので立て続けに2個でも3個でも。笑
次に思いつくのは、いつもはホールトマトの缶詰で作るトマトソースを贅沢にフレッシュトマトを使ってたっぷり仕込んでみようとか。
トマトをたくさん使うので、こちらも通常のトマトの値段ではなかなかできない贅沢です。
でも、日本のトマトは基本的に生食に適した品種。
煮込んでトマトソースにしようとしても、水っぽくて味も薄いし酸味も立ってしまって、思ったほどは美味しくできないんですよね。
それならむしろトマトもオリーブオイルも加熱せずにフレッシュのまま冷製パスタとかにする方がトマトの持ち味が生きます。
オリーブオイルの焼ける匂いもいいですが非加熱のヴァージンオイルのフレッシュな香りもまた格別です。

フレッシュトマトの冷製パスタには細いカペッリーニなども合いますし日本では冷製パスタといえばそんなスタイルが定番。
冷やし中華の麺や素麺のように茹で上げて冷水にさらす場合、パスタがソースを一切吸わなくなるためパスタとパスタの隙間が狭く表面張力でソースが絡みやすいよう細いタイプを使います。
しかしパスタ料理とは本来、フライパンなどで火を入れながらパスタにソースを吸わせて仕上げる料理。
いわゆる麺がスープを吸ってのびた状態(ただしこの時点でアルデンテの硬さにする)を良しとします。
他の麺類とは考え方が真逆なんですよね。

茹でたパスタの余熱でソースを吸わせて仕上げたのが今日のちょっぴり冷製のパスタで、クルダイオーラとも呼ばれます。
きんきんに冷たくはないけどパスタとソースが混然一体になって旨い。
この場合はカペッリーニのような細いパスタだとのびて軟らかくなってしまうのと、トマト本来の甘みも酸味も全部パスタが受け止めるよう、むっちり太目のスパゲッティを使うと美味しく仕上がります。




Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ(2.2mm)250g
完熟トマト(中)3個
にんにく1片
塩漬けケイパー大さじ3
バジリコ10枚
オリーブオイル大さじ4
レモン1個
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

完熟トマトは縦に四等分してからざく切りにし、種もゼリー状の部分もそのままボウルに入れ、粗塩をふって果汁を抽出します。
さらに、見た目はちょっと悪くなりますがフォークの背で軽くトマトを潰すようにして果汁をたくさん出しておきます。
パスタの茹で汁は加えないのでパスタに吸わせるためのソースの水分をかなり多めのしゃばしゃば状態にしたいためです。

にんにくはみじん切りに、塩漬けケイパーは塩を洗い流して軽く刻み、バジリコの葉も刻んでレモンの搾り汁とともにボウルに加えます。
さっくり混ぜ合わせてからボウルごと冷蔵庫で冷やします。
ケイパーからも塩気が出るので途中で味見をして必要なら味を調整し、またこのときに黒胡椒も軽く挽いておきます。

パスタを表示時間通りに茹で、ザルに上げてよく湯切りし、きんきんに冷えたソースのボウルに移し入れます。
手早く混ぜ合わせて余熱でパスタにソースを吸わせます。

皿に盛ってカットレモンを添えます。
香りのよいヴァージンオイルをまわしかければ出来上がり。

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