2014年10月5日日曜日

Frittura di Paranza 魚介のフリットゥーラ 古の漁師風

小型の甲殻類や小魚、いわゆる雑魚(ざこ)に衣をつけて油でからっと揚げて盛合せにしたフリットゥーラ。
"古(いにしえ)の漁師風..." はノスタルジーをかきたてる意訳ですが、さてこの "Frittura di Paranza" パランツァのフリットゥーラとは一体どんな意味なんでしょうか。

フリットゥーラとは本来、蒸し焼きやソテーのような調理法、フレンチでいうところのポワレと同義なんだそうですが、油で揚げるフリットと同じ意味でも使われます。
ティレニア海に面した古い漁師町のある地方などでは、小型の魚介類のフリットミスト(盛合せ)のことを "Frittura di Paranza" パランツァのフリットゥーラと呼んだりします。
そのパランツァとは、小さな漁船などで扱う投網や底引網のこと。
フリットゥーラをパランツァで修飾することで、フリットゥーラという調理法の素材が魚介であることを表すと同時に、そんな昔ながらの漁法では小魚ぐらいしか獲れないので、それらをまさに十把一絡げで揚げたフリットの盛合せ料理であることを表しているというわけです。
Frittura di Paranza、なんだか郷愁漂う素敵なネーミングですよねぇ。
イタリア料理の名前の付け方って、ほんとにセンスがいいなぁといつも思ってしまいます。

さて、使う魚介の種類にとくに決まりはないのですが、定番のヤリイカと海老などの甲殻類、パランツァで獲れるような小魚が必須です。
日本ではヤリイカ(成体)は冬場にしか出回らないちょっと高級な烏賊ですが、春に孵化したばかりの小ヤリイカ(カラマレッティ)が秋口に出回り始めます。
一年中出回るスルメイカと違ってヤリイカは季節感があり、小さくてもぷりぷりと歯ごたえがあって食味も上品、やはりスルメイカよりは数段格上のイカと言えます。
そしてパランツァで獲れる小魚には今日は豆アジを。
下処理せずに丸ごと揚げられるサイズのものは調理も楽で安価なので、一度にたくさん揚げて、ついでに鯵の南蛮漬けなんかも作ると一石二鳥ですね。

残暑と秋が交互に訪れる季節。
真夏の喧騒も過ぎ去ってすっかり静けさが戻ったビーチや、古き時代のおおらかな漁村の風景などを思い浮かべながらいただく、季節の素材のフリットゥーラ。
揚げたての熱々にぱらっと塩をふりシンプルにレモンを搾りかければ、冷えた泡か白ワインのつまみにこの上ない一品ですね。
この秋、お勧めです。

Ingredienti (per 4 persone)

小ヤリイカ200g
豆アジ300g
芝海老か甘海老200g
小ガニ200g
強力粉適量
サラダ油適量
塩・胡椒適量
レモン1/2個


Preparazione

小ヤリイカは胴体から脚を引き抜いてワタと背骨を除き、流水で洗って適当な大きさに切り分けます。
豆アジは軽く塩揉みしてから水で洗います。
海老はそのまま、小ガニは出刃包丁で半分に切って、甲羅が硬い種類のものは外して脚と脚の付け根の身だけにします。
キッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。

サラダ油を熱しながらネタに強力粉をまぶし、軟体類(イカやタコ)、甲殻類(海老や蟹)、魚の順に揚げていきます。
揚がったものからバットにあげて、さっと塩をふります。
皿に盛って軽く胡椒を挽き、レモンを絞りかければ出来上がり。

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2 件のコメント:

  1. あべべさん
    魚介のフリットゥーラ 古の漁師風
    素晴らしいフリットゥーラ
    美味しそうです
    素敵なrecipe
    いつも
    有難うございます
    嬉しいです

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    1. りゅうじさん、いつもありがとうございます。
      イタリア料理のネーミングってセンスがあって素敵なもの多いですよね、そんな料理のうちのひとつかと。
      今の季節、ちょうど出始めた小ヤリイカ、小さいのにぷりぷりして上品な味で美味しいです。

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