2015年1月31日土曜日

Testaroli al Pesto 焼いて作る生パスタ テスタローリ バジリコのペスト

小麦粉を水で溶いて厚めのクレープ状に焼いた、古代ローマ時代発祥のイタリア最古の生パスタといわれるテスタローリ。
焼き上がった生地は菱形に切って、さっと茹でてシンプルにバジリコのペストを絡めていただくのが定番です。

これ、リグーリア地方の郷土料理だと思った方は半分正解。
どういうことかというと、この古典的なパスタの伝統を受け継いでいるのが、南にリグーリア州、北にエミリアロマーニャ州が隣接したところに東側からくさび状に食い込んだトスカーナ州北西部の地域。
三方を山に囲まれたこの一帯はリグーリアに向いて開けていて、川沿いに山を下りるとラ スペツィアの街、すぐ西はチンク エ テッレ。
地理的にも歴史的にも、遥か彼方のフィレンツェよりリグーリア地方と交流があった地域で、住所はトスカーナでも文化はリグーリア。
このテスタローリもリグーリア料理に分類した方がむしろしっくりくるほど、だから半分正解で半分不正解。
というよりリグーリア料理もトスカーナ料理も両方正解です。笑

さて、このテスタローリというパスタ、ひらべったいところがちょっとマルタリアーティにも似ていますよね。
ラザーニャを作るときにできる切れ端を乱切りにしたマルタリアーティは小麦粉と卵の生地をこねて作るれっきとした手打ちパスタ。
でも、テスタローリは手打ちしてパスタを成形するという知恵も技術もなかった時代に考え出されたパスタの原型、なんと小麦粉を水でしゃばしゃばに溶いて鉄板で焼いて作ります。
現代の感覚では、パスタというより完全にクレープかお好み焼き。
しかも、焼き上がった生地をさらに茹でるというから驚きですが、焼くという行為はそもそも調理目的ではなく、小麦粉からパスタを成形するための手段だと思えば納得できます。
パスタを茹でてからソースを絡めるのは昔も今も同じですよね。

食感はというと、こねてないからコシも粘りも足りないかと思いきや、意外にもちもちして歯ごたえもあります。
アルデンテに茹でた乾燥パスタやもっちりした手打ちパスタと比べるとパスタとしてはいい意味で未完成な感じが印象的です。

ソースは定番のバジリコのペストがいちばんしっくりきますが、他ではにんにく風味のオリーブオイルを絡めるとか、テスタローリそのものを味わえるシンプルなものがお勧めです。


Ingredienti (per 4 persone)

強力粉300g
2カップ
小さじ1
にんにく1/4片
バジリコのペスト1/2カップ
オリーブオイル適量
パルミジャーノ適量
松の実適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ふるいにかけた小麦粉と塩をボウルに準備して水を少しづつ加えながら泡だて器で撹拌します。
お好み焼きの生地よりも緩い、たこ焼きの生地ぐらいのしゃばしゃばな状態になるよう水の量を調整し、少し置いて馴染ませます。

よく熱した鉄のフライパンにオイルを少量しき、ごく弱火にして生地を3mmから5mm程度の厚さになるよう流し込み、蓋をします。
焼き時間はガス設備の火力にもよりますが、5分から10分程度が目安。
焦がさないようフライ返しでこまめに焼き面をチェックし、きつね色になるまで焼いて裏返します。
裏返したら焼き色がつかない程度にさっと焼きます。

バジリコのペストをボウルにあけ、オリーブオイルでのばします。
冷蔵保存してある自家製のペストはチーズを入れてないと思いますので削ったペコリーノかパルミジャーノを加えます。
市販品の場合、安価な粗悪品だとオリーブオイルや松の実の代替原料や量増し用の原料が混ぜてあるので、品質の良いものを使います。
味見をして必要なら塩胡椒とおろしにんにくを加えます。

焼けた生地は少し冷まして4cmから5cm程度の幅の帯状に切ってから、菱形になるように斜めに切ります。
深鍋に湯を沸かして塩を加え、沸騰したら火を止めるかごく弱火にしてぐらぐら煮えたぎらない状態にして、テスタローリを投入します。
数分で軟らかくなって浮いてきますので、穴あきレードルですくいとりボウルに移してペストと和えます。
皿に盛ったらオリーブオイルをまわしかけ、パルミジャーノと松の実を散らせば出来上がり。

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