2016年12月17日土曜日

Malfatti agli Spinaci con Burro e Salvia ほうれん草とリコッタのニョッキ マルファッティ

茹でてペースト状にしたほうれん草とリコッタを小麦粉や卵でつないでニョッキのように丸めた、北イタリアはミラノが州都のロンバルディア州の郷土料理マルファッティ。
ふんわりと茹でてからセージの香りを移したバターのソースを絡めて、仕上げにグラナパダーノをたっぷり削りかけていただきます。

ほうれん草とリコッタを混ぜたものって、ラヴィオリやカンネローニ、トルテッリなんかに詰めるリピエーニ(=詰物)の定番ですよね。
ほうれん草の土の匂いのような風味とえぐみがリコッタのフレッシュ感や甘みとよく合い、主張が強すぎないのでパスタの詰物として最適だしどんなソースとも合わせやすいんですね。
澄んだブロードを注いであっさりいただくのもいいし、バターのソースやクリームソースでこってり食べても美味しい。
でも詰物パスタってやたらと手間がかかるうえ、具材が微妙に余ったり逆に足りなかったり、調理中はばたばた散らかすのでキッチンまわりも結構汚れて苦手だという方も多いかと思います。

詰めるのが面倒ならそのまま丸めてしまえ、という感じで生まれた料理かどうかは知りませんが、ゆるゆるの具材に卵や小麦粉などのつなぎを加えて成形したのがこのマルファッティ。
成形といっても手にべとべとついて丸められないぐらい軟らかいので、鍋料理で生の鶏のつみれを落とし入れるような感じで 2本のスプーンを使って器用に成形しながら湯に落として茹でます。
それも面倒そうなので小麦粉をいっぱい入れて普通のニョッキみたいに作ればいいじゃんというならそれでもいいですが、軟らかく作った方がリコッタのふんわりした食感が楽しめて美味しいんですね。
それにマルファッティの語源であるマルファットとはスプーンで丸めたときのような不揃いで不恰好な形のこと。
だからマルファッティはゆるゆるの生地をふんわり丸めて作ります。

さて、マルファッティはロンバルディア州の郷土料理だと書きましたが厳密にはマルファッティという呼称がロンバルディア州あたりのもの。
呼び名が違うだけでほぼ同じ料理が北イタリア一帯で作られます。
例えばトスカーナ州ではラヴィオリの中身をパスタ生地で包んでいないという意味の Ravioli Nudi=ラヴィオリヌーディ(裸のラヴィオリ)、もしくは Gnudi=ニューディなどと呼ばれています。
またヴェネト州あたりでは Strozzapreti とも呼ばれます。
バターとセージのソースで食べるのが定番というところも似てますが、グラナパダーノ(まぁ味はパルミジャーノとほぼ同じですけど)を使うところがロンバルディア風マルファッティといった感じでしょうか。

マルファッティ自体の味はどんなかというと、パスタという感じはなくふんわりした食感でリコッタチーズをそのまま食べてるようなほのかな甘みがちょっとデザートっぽいかも。
もりもり食べたいパスタという感じではないので、レストランのようにリムの大きな皿にちょこっとだけ盛って文字通りプリモピアット(前菜とメイン料理の間)としていただくのがちょうどいいです。


Ingredienti (per 4 persone)

ほうれん草1束
リコッタ250g
グラナパダーノ30g
薄力粉150g
2個
小さじ1/2
ナツメグ小さじ1
per Condire
バター70g
セージ2枝
適量
黒胡椒適量
グラナパダーノ適量
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

湯を沸かして塩少々を加え、ほうれん草を2分ほど茹でます。
粗熱がとれたら軽く絞りハンドブレンダーで粗いペースト状にします。
ボウルにペースト状にしたほうれん草、リコッタ、卵、塩、ナツメグ、粉状に削ったグラナパダーノを加え、小麦粉を少しづつ加えながら手で練っていきます。
鶏のつみれほどの軟らかさになるよう小麦粉の量を調整します。

フライパンを弱火にかけてバターを溶かし、セージの葉を加えます。
それと同時に深鍋に湯を沸かして塩を加え、マルファッティをスプーンで丸めながら沸騰した湯に落として茹でます。
パスタの茹で汁をフライパンに加えて揺すり、塩で味を調整します。

マルファッティが浮いてきたらひと呼吸待ってからレードルですくってフライパンに移し、ソースをよく絡めます。
皿に盛って黒胡椒を挽き、グラナパダーノを削りかければ出来上がり。

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