2020年11月21日土曜日

Insalata con la Frutta Secca e Fiori di Latte 木の実とフレッシュチーズのサラダ仕立て

軽くローストした胡桃、アーモンド、ピスタチオにルッコラとちぎったモッツァレッラを盛り込んだ秋のイタリアンサラダ。
ドレッシングではなく塩胡椒やオリーブオイルで自分で味つけするのもイタリア風、フレッシュチーズと香ばしい木の実の相性も抜群です。

11月も中旬を過ぎて本格的に冬の足音が聞こえてくる時期ですね。
歓迎されざる季節がまもなくやってくるかと思うと、なんだか身も心も憂鬱になって、何もやる気が起きなくなったりしませんか。
実際、イタリアでは11月は鬱になる人が増えるそうですよ。
イタリアはちょうどこの時期は雨季にあたるということもありますが、いつも陽気なイメージのイタリア人でもそんなことになるんですね。

とはいえ、今の時代なら寒ければ暖房すればいいし、スーパーに行けば食材の調達もごく普通にでき、ウィンタースポーツだって楽しめるし、寒いからこその冬のファッションも楽しめます。
冬が来るからといってとくに生活に困ることもないわけですよね。
これがひと昔前だと話はだいぶ違ってきます。
電気もガスもない時代は部屋中を暖かくしてくれる暖房なんてないし、農耕や狩猟でまかなってきた食糧は冬は手に入らなくなります。
森とともに暮らしてきた西洋人は、秋になると冬に備えて木を切り出し暖炉で燃やすための薪を準備したり、狩でしとめた獲物の肉を加工して保存のきく干し肉や燻製を作ったり、木の実を集めてきたりしました。
ひとたび雪に覆われると移動すらままならなくなるため、燃料や食糧を切らしたからといって、ちょっと町まで出かけていって調達してくる、なんてこともできなくなります。
冬を越すための準備が不足すれば死活問題に直結します。
人間だけでなく動物たちも、秋は冬毛を生やしたり餌をたくさん食べて脂肪を蓄えたりして保温性を高めたり、冬眠のための場所を探したり、リスの仲間などはドングリを集めて木の穴に隠すなど保存食を備蓄するような行動をとります。
一年の中で最も厳しい冬は本来はひたすら耐える季節。
秋は冬を乗り切るための準備期間でもあるんですね。

今日はそんな冬の貴重な保存食でもあった木の実のうち、アーモンド、胡桃、ピスタチオといった秋のイタリアを彷彿とさせるナッツを使って作る木の実のサラダ仕立て。
アーモンドやピスタチオというと、日本では洋酒のおつまみ的な印象が強いかと思いますが、ただの乾きものとあなどるなかれ。
乾いた感じの見た目に反して木の実は潤い食材の代表格なんです。
どういうことかというと、木の実に多く含まれるのが油脂成分。
これが不飽和脂肪酸といって生活習慣病の予防に効果があるほか、空気が乾燥するこれからの時期は肌の保湿や風邪の予防効果もあります。
さらには血液サラサラ効果のあるオレイン酸、アンチエイジング効果のあるビタミンE、動脈硬化を防ぐオメガ3脂肪酸も豊富に含みます。
つまり美容にも健康にもいい、まさに天然のサプリメント。
その季節の旬のものを食べることにこだわるイタリアでは、今の時期はどの家庭でも数種類の木の実が食卓に置かれ、おやつ代わりにぽりぽり食べます。
日本人にとっては、木の実というと栗か銀杏ぐらいしかなじみがないしとくに季節感も感じないですが、西洋では森からの秋の贈り物。
この時期に木の実をぽりぽりやるのは昔からの習慣なんです。

そして香ばしい木の実をより引き立ててくれるのが、そのまま食べるとちょっと頼りない味わいのフレッシュチーズ。
今日はモッツァレッラを使いましたが、リコッタでもいいですよ。
サラダなので緑の葉(なんでもいいですが、今日はルッコラ)も一緒に盛り込み、塩と胡椒、エキストラヴァージンオイルでまとめます。
ちなみにイタリアでは、サラダにドレッシングが添えられるというのはあまりなくて、卓上にある塩や胡椒、ヴィネガー、オリーブオイルなどの調味料を使って自分で味つけします。
イタリア料理も含めて、西洋料理では料理にどんなソースを添えるかに重点が置かれますが、サラダだけはご自由にどうぞなんですね。笑




Ingredienti (per 2 persone)

胡桃20g
アーモンド20g
ピスタチオ20g
モッツアレッラ100g
ルッコラひと掴み
適量
黒胡椒適量
オリーブオイル適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

木の実は上記レシピのもの以外にヘーゼルナッツなどもイタリアっぽいですが、あまりレシピにとらわれずお好みのものを購入します。
ただし南国原産のカシューナッツやマカダミアナッツなどは季節的にも産地的にもミスマッチなのと、ピーナッツは木の実ではなく豆類なのでやはりミスマッチとなります。

あらかじめロースト(素焼き)してあるものや生のものもありますが、どちらを購入しても構いません。
生のナッツの場合は、かりっとした歯ごたえと香ばしさを出すために、低温(160℃)のオーブンで10分程度素焼きします。
殻付きのピスタチオの場合は殻から外してから素焼きします。
ローストした木の実は手で粗く砕きます。

モッツアレッラは手で適当にちぎります。
ルッコラとモッツアレッラと砕いた木の実を合わせ皿に盛りつけます。
岩塩、黒胡椒を上から挽きかけ、エキストラヴァージンオイルをまわしかければ出来上がり。


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