2019年9月15日日曜日
Casarecce con Pesto alla Brontese ピスタチオソースのパスタ ブロンテ風
まったりと甘くて芳しいナッツのフレーバーがスパイシーなバジリコの香りと相性抜群、皿の底のソースも残さず食べたい一皿です。
乾きもののおつまみの定番ピスタチオ。
バーやスナックなどでウイスキーの水割りなど主に洋酒のつまみとしておなじみで、大概はピーナッツやアーモンドなど他のナッツ類とともにミックスナッツとして出されます。
乾燥してるのであれですが、ナッツ類はああ見えても意外と脂肪を多く含んでいるのでお酒のお供にちょうどいいんですね。
そしてナッツ類のなかで唯一殻付きで出されるのがピスタチオ。
ぱっくりと割れた殻の隙間から紫色がかった褐色の薄皮とともに鮮緑の実がちらちら見え隠れします。
考えてみると不思議な形をしていますよね。
一体どんな風に木に成っているんでしょうねぇ。
ナッツ=木の実は日本の食品分類では種実類にカテゴライズされます。
つまり果実から果肉を取り除いて種を乾燥させたもの。
種なので大概硬い殻に覆われていて、その中身が食用になります。
胡桃もそうですしアーモンドやヘーゼルナッツも同様です。
ピスタチオがどんな風に成ってるかって話ですが、ピスタチオの果実は緑色でやや楕円形をしていて、ぶどうの房のように鈴なりに実をつけ、熟してくると赤味を帯びてきます。
このとき、果肉の中の種の殻は既に割れて裂け目ができるそうです。
この熟した果実を収穫して果肉を除去し、洗浄してしっかり乾燥させて出荷されますが、なかには割れていないものもあるため、人手や機械で割ったりもするそうです。
ピスタチオは地中海原産で、現在はイランとアメリカが主な産地。
日本に輸入されているものの大半はアメリカ産です。
イタリアでもピスタチオは栽培されていますが、生産量はごく僅かで、そのほとんどがシチリア州のブロンテという村で生産されています。
生産量が少ないなら取るに足らない感じもしますが、実はブロンテ産のピスタチオは宝石のエメラルドに例えられるほど美しく濃厚な緑色で、食味は甘くてこくがあり、品質は世界最高峰だとされその名を世界中に轟かせているんです。
品質が高く美味なのに生産量が少ないため需要が供給を遥かに上回り、結果として希少価値が高く値段はイタリア国内でもかなり高価。
当然ながら日本ではまず手に入りません。
食べ方は、そのまま食べるのはもちろん、料理に使ったり、スイーツの材料にしたり。
なかでもピスタチオのジェラートが絶品なんですよねぇ。
さて、木の実といえば秋の森の恵み。
毎年秋には木の実を使ったスタバのフラペチーノやコンビニスイーツが話題になったりしますよね。
ただ、日本では栗や銀杏は食べますが、それらが木の実だという感覚はあまりないし、木の実が秋の味覚というイメージも希薄です。
もともとが農耕民族なせいか、食糧となる米や野菜、家畜は自分たちで育てるもので、わざわざ危険を冒してまで森に木の実を取りに行ったりしなかったんですね。
一方、森に住み狩りをして暮らしてきた西欧では木の実はれっきとした秋の味覚、そして雪に覆われる冬場の貴重な保存食でもあります。
このブログでも、秋には木の実のスフォルマートや砕いた四種の木の実のクリームソースのパスタ、自家製ニョッキに栗を練り込んだり砕いた木の実を練り込んでセージバターのソースをあしらったり、深まる秋を味わいつくす北イタリア風の料理を作ってきました。
今日は、ピスタチオの産地が南のシチリアであることと、秋といってもまだ残暑の残る初秋なので、北イタリア風はいかにもアンバランス。
そこで、ピスタチオをバジリコとともにペーストにしてカサレッチェに絡めた南イタリアの秋といった感じのパスタに仕上げました。
カサレッチェもシチリアのご当地パスタですしね。
使ったピスタチオはさすがにブロンテ産ではないですが、まったりした甘いこくとバジリコのスパイシーな香りがよく合う一皿です。
Ingredienti (per 2 persone)
カサレッチェ | 220g | ||
ピスタチオ | 殻付で約50g | ||
にんにく | 1/2片 | ||
バジリコ | 30枚 | ||
レモンの皮 | 少々 | ||
ペコリーノ | 20g | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
ピスタチオは殻から実を外し、すり鉢で粗く砕きます。砕いたものは仕上げのトッピング用に少しとっておいて、残りは細かくすり潰します。
にんにくは粗みじん切りに、ペコリーノチーズは粉状に削り、レモンは皮の部分をすりおりし、バジリコは手でちぎっておきます。
すり鉢にバジリコ、にんにく、ペコリーノ、オリーブオイル、レモン、塩胡椒を加えてペースト状にしていきます。
ショートパスタを茹でます。
パスタ料理は通常は表示の茹で時間より早めに上げてフライパンで火を入れながらソースを吸わせつつ和えていくんですが、今日は茹で時間は表示の通りに上げます。
火を通すとバジリコの香りが飛んでしまうためです。
茹で上がったパスタをボウルにとり茹で汁も少々加えて、粗熱をとってからピスタチオとバジリコのペーストと混ぜ合わせます。
パスタを皿に盛ってオリーブオイルをまわしかけ、砕いたピスタチオを散らし、黒胡椒を挽いてバジリコの葉を乗せれば出来上がり。
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