2019年6月30日日曜日
Spaghetti alla Luciana タコのスパゲッティ ルチア風
梅雨も半ばを過ぎて半夏生の頃に食べるタコはどこか滋味深い味わい、夏本番が待ちきれなくなる南イタリアっぽさぷんぷんの一皿です。
今日で6月も終わり明日から7月ですね。
今週は水曜日に近畿と中国地方もようやく梅雨入りが発表され、これは観測史上最も遅い梅雨入りだったそうです。
でも、仮に早い時期に梅雨入り宣言が出されていたとしても、梅雨入りしてすぐの6月中は結構晴れる日が続いたりしますよね。
夏の太平洋高気圧が勢力を強め北のオホーツク海高気圧との間に前線ができて日本列島付近に停滞するのが梅雨なんですが、入梅直後の時期はまだ北の高気圧が勢力を保っているためで、からっと晴れて初夏の陽気といった日が多くなります。
気温が低いので天気が崩れると肌寒い梅雨寒の天候となります。
これが7月に入るとだいぶ様相が変わってきます。
晴れる日は少なくなり、気温も湿度もぐっと高くなって蒸し暑く不快な気候になってきます。
雨も前半はぽつぽつ降る程度だったのが、後半になるにつれて本格的なざあざあ降りになってきます。
梅雨の期間はだいたい40日間で明けるのは7月20日過ぎ頃。
梅雨はこれからが本番なので覚悟しといた方がいいわけですね。
そんな梅雨の折り返し地点を過ぎた頃が半夏生。
夏至の日から数えて11日目の7月2日頃から6日頃までの5日間です。
半夏生は二十四節気などの暦日とは別に、季節の移り変りをより適確に掴むために設けられた雑節のひとつです。
雑節はほかに節分や彼岸、八十八夜、入梅、土用などがあります。
半夏生の頃に梅雨明けもしくは梅雨明け間近と言われたりもしますが、先にも書いたように梅雨はむしろこれからが本番なので折り返し地点と考える方が実態に合っています。
農業が中心だった時代においては半夏生までに田植えを終わらせないと収穫が減ると言われ、それまで急ピッチで作業してきたこともあって、この5日間は休みにあてたりしたそうですよ。
さて、そんな半夏生の頃に食べるものといえばタコ。
田植えで疲れた身体を癒やすためなどと後から考えたかのような説明もよく目にしますが、実際タコには疲労回復効果のあるタウリンが豊富に含まれるため、ある意味理にかなっているわけですね。
タコの足は八本あるため稲の根がタコの足のように四方八方にしっかり根付くよう願いを込めたなんて説もあります。
一年を通してあまり味に変化がないタコなんですが、どちらかといえば夏場に味が乗ってくるのでこれからちょうど旬。
理由をあれこれ知ったうえで食べる半夏生の蛸は、どことなく滋味深い味がする気がしますね。
そんなタコをイタリア料理に仕立てるのなら、真っ先に思い浮かぶのはやはり地中海の香り漂うトマト煮込みでしょう。
古典的にはオリーブオイルを熱した鍋に生のタコを置き入れて蓋をし、タコ自身から出た水分で蒸し煮のようにして煮込んでいたものですが、今ではたっぷりのトマトソースで煮込む方がおなじみです。
夏のバカンスのイメージがぷんぷんする地中海料理は、夏が待ち遠しい今の時期に食べるとテンションが上がりますよね。
タコのトマト煮はアッフォガート(溺れ煮)とも呼びます。
ルチアーナ=ルチア風と呼ぶ場合はナポリの港町サンタルチアの漁師風という意味合いを込めて呼んでいます。
私たちにとってちょっとお洒落なイメージもあるトマト煮込みですが、南イタリアではごく普通の家庭料理のひとつ。
軟らかく煮上がったタコはメイン料理の一品として食べ、タコの旨みがしみ出たトマトソースでパスタを作れば一石二鳥。
今日はもともとパスタのソースとして仕立てましたが、ひとつの料理を二度楽しむところも南イタリアの家庭ならではです。
Ingredienti (per 2 persone)
スパゲッティ(2.2mm) | 220g | ||
タコ | 200g | ||
にんにく | 2片 | ||
唐辛子 | 1本 | ||
オリーブ | 4粒 | ||
塩漬けケイパー | 10粒 | ||
ホールトマト | 1缶 | ||
白ワイン | 大さじ2 | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
プレッツェーモロ | 5枝 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
タコは大きめのぶつ切りに、にんにくは包丁の腹で潰します。塩漬けケイパーはぬるま湯につけて塩抜きしてから、オリーブとともに細かく刻んでおきます。
プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)は粗みじん切りにします。
ホールトマトはザルで漉して種や皮を取り除いておきます。
フライパンを弱火にかけてにんにくと唐辛子を置き入れます。
香りが出たらにんにくの方は取り除き、ぶつ切りのタコを加えて中火でさっとソテーします。
白ワインを注ぎ入れフランベしてからホールトマト、刻んだオリーブとケイパー、パセリの枝も加えてしばらく煮込みます。
タコの身は一旦縮みますが、出汁をとるつもりで構わず煮ていくうちにほろほろと軟らかくなってきます。
パスタを茹で始めます、太いので15分ぐらいかかります。
パスタがソースの汁気を相当吸うので、茹で汁を足して緩めの状態にし塩胡椒で味を調整します。
硬めに茹で上げたスパゲッティをフライパンに移して、中火でソースの旨みをパスタに吸わせるようにマンテカーレしていきます。
もう一度味見をして塩で調整し火を止めます。
皿に盛ったら黒胡椒を挽き、エキストラバージンオイルをまわしかけ、刻んだプレッツェーモロを散らせば出来上がり。
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すごく美味しそうです!作ってみます。
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