2019年12月8日日曜日
Cavolfiori Fritti con Bagna Cauda カリフラワーのフリット バーニャカウダソース
揚げたて熱々にパルミジャーノをぱらりひとつまみで香りを引き立てて相性抜群のソースにひたしていただく初冬の一品です。
古くて新しい野菜カリフラワー ・・・。
これ、カリフラワーを使うときにいつも書いてるフレーズです。
カリフラワーは菜の花やブロッコリーと同じアブラナ科の花野菜。
地中海原産なのでイタリア料理でもおなじみの素材です。
日本にはブロッコリーよりも先に伝わり、折からの洋食ブームに乗ってカリフラワーやホワイトアスパラガスといったいわゆる白い西洋野菜がもてはやされたのが今から50年ぐらい前の昭和の時代。
時代が下り平成に入る頃には健康志向に伴い緑黄色野菜の人気が沸騰、βカロテンを豊富に含むブロッコリーやグリーンアスパラガスが市場を席巻し、カリフラワーやホワイトアスパラガスは衰退しました。
そんなわけで昔をご存知ない世代にとっては白い西洋野菜は目新しく、逆に昭和世代には懐かしい、つまり古くて新しい野菜です。
淡白で仄かな甘みと苦みがあるカリフラワーはどんな素材とも調和し、脇役で使う場合は主役をしっかり引き立ててくれます。
洋食メニューでよく使われるのがクリームシチューやグラタンなど。
ベシャメルソースが白いので、白いカリフラワーを合わせて白い料理に仕立てているわけです。
フランス料理のフリカッセやブランケット的な発想ですね。
イタリア料理では茹でてサラダに加えたり、グリルで香ばしい焼き目をつけて肉料理などの付け合せにしたり、オリーブオイルやヴィネガーに漬けてマリネしたソットオーリオやソットアチェート、煮崩れしやすいのでくたくたに煮崩してパスタソースにしたりして食べます。
そしてオイルと相性がいいので今日のようなフリットも美味。
茹でただけだとちょっともっさりする感じもありますが、揚げることでしっとりジューシーに仕上がります。
カリフラワーの味付けはなぜかアンチョビ風味が定番。
ナポリのリンフォルツォサラダもアンチョビ風味のドレッシングだし、グリル野菜にもアンチョビソースをかけることが多いはずです。
アンチョビはカタクチイワシを塩漬けにした、日本の醤油や味噌と同じ発酵食品で、魚というより調味料的に使われる食材。
強い塩気と独特の熟成味が、淡白ではんのり苦味のあるカリフラワーとよく合うからなんでしょうけど、相性もさることながらカリフラワーの主要な産地カンパーニャ州の特産品がアンチョビだということも大いに関係しているかもしれません。
今日のバーニャカウダ風のソースもアンチョビが使われています。
にんにくとたっぷりのアンチョビをオリーブオイルで煮たのがソース。
最近ではバターや牛乳、生クリームを少量加えたり、分離しないようにブレンダーなどで攪拌して乳化させたものもあります。
これをフォンデュのように卓上で温めながら生野菜や軽く茹でた野菜をつけて食べるのがバーニャカウダ。
トリノが州都のピエモンテ州の冬の郷土料理です。
日本でもちょっとしたブームになり、スティックサラダみたいに細長く切ったキュウリやアスパラガス、パプリカなど色とりどりの新鮮野菜を温かいソースにつけて食べるのがバーニャカウダというイメージ。
でも、冬山の料理なので実際に使う野菜はカリフラワーや蕪やセロリ、にんじんといった冬野菜。
彩り的にはもう少し地味な感じになります。
今日はバーニャカウダといってもカリフラワーを油で揚げたフリット。
これに塩気のきいたバーニャカウダ風のソースをつけて食べます。
油で揚げておいてさらにオイルソースにひたすのはどうも、という方はオイル少なめで牛乳などを足して、マヨネーズ風に乳化させたソースにアレンジしてもいいかもしれません。
でも、あんまり油を気にしていたら本当に美味しいイタリア料理なんて食べられませんよね。笑
揚げたての熱々に粉状に削ったチーズをぱらりひとつまみしたところがわりとポイント。
隠し味のように風味にアクセントがつきますよ。
Ingredienti (per 4 persone)
カリフラワー | 1株 | ||
小麦粉 | 適量 | ||
サラダ油 | 適量 | ||
塩 | 少々 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
パルミジャーノ(粉) | ひとつまみ | ||
にんにく | 1片 | ||
アンチョビ | 5尾 | ||
オリーブオイル | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
まずバーニャカウダソースを作ります。にんにくは皮を剥いて包丁の腹で潰します。
アンチョビを包丁で叩いてペースト状にします。
にんにくとアンチョビをミルクパン等に入れてオリーブオイルを注ぎ、弱火でじっくり加熱します。
ふつふつと煮立って香りが出たらにんにくは取り除きます。
カリフラワーは小房に切り分けます。
小麦粉は水で溶いてしゃばしゃばにし、塩少々を加えます。
サラダ油を熱し、薄い衣にくぐらせたカリフラワーをこんがり揚げ色がつくまで揚げていきます。
揚げたて熱々を皿に盛り、粉状に削っておいたパルミジャーノをぱらりひとつまみふり、黒胡椒を軽く挽きかけます。
温めたバーニャカウダソースを添えれば出来上がり。
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