2020年5月23日土曜日

Asparagi Bianchi con Uovo in Camicia ホワイトアスパラのポーチドエッグ添え

世界中が騒然としている間にいつのまにか春も終わろうとしてますが、晩春から初夏へと季節が移るこの時期は北の大地でホワイトアスパラが旬を迎えます。
茹でたアスパラは鳥の巣に見立てて盛りつけ、ポーチドエッグを添えて黄身と溶かしバターを混ぜながらソースにしていただきます。

史上最悪のウィルスが世界中に蔓延して数ヶ月が経ちました。
ウィルスそのものに対してもそうですが、こんな物騒なものを世界中にばら撒いておいてなんの責任も取らない某国に対する憤りが収まらず、しばらくはブログ記事の掲載を中断していました。
イタリア料理をテーマにしているので、イタリアも含め世界中が悲惨な状況にあるなかで、とてもそのような気になれなかったからです。
年末年始などを除き、基本的に毎週末に必ず更新していたというのに、3月28日を最後に7週間も続けて休んでしまいました。
気持ちがそこにいかないのでこればっかりはどうしようもありません。
今後もすぐに毎週更新とはいかないかもしれませんが、気を取り直して少しづつ通常運転に戻していきたいとは思っています。

さて、その史上最悪のウィルスに対し日本は諸外国と違って感染者数の増加ペースが緩やかになるようにコントロールし、医療崩壊を招かないよう時間を稼ぐという戦略をとりました。
PCR検査が容易に受けられなかったのもその一環かと思います。
しかしながら、諸外国が壮絶な状況にあり明日は我が身というさなかにありながら、日本ではなかなか危機意識が拡がらずにいました。
何よりも最優先されなきゃいけなかったのは国民の命を守るためいかに感染拡大をくいとめるかであり、政府も一生懸命だったと思います。
でも、休業補償はどうなるとか子育て主婦をなめるなとか、それぞれの立場でいろんな意見が出て、そういうのが結果として迅速な意思決定の妨げになっていたわけです。
政府は何をやるのも遅いとか批判してたけど、足を引っ張っていたのは私たち国民の方だったかもしれないですね。
まぁそれが民主主義国家というものなんですけど、こういう状況下ではもう少し国のトップを信頼して身を委ねてもよかったかなと思います。

それと、国家の一大事だというのに、自粛などの要請には協力しない、自分は大丈夫、といった身勝手な人たちが大勢いましたよね。
別に貴方が感染しようがどうしようがこちらは知ったこっちゃない。
貴方のために自粛をお願いしてるわけじゃないので勘違いしないで。
そういう感覚の人たちが世の中で普通に一緒に暮らし、同じ通勤電車に乗ったり、街を歩いてたりすること自体が社会にとってリスクであり、迷惑なんだってことがわかってないですよね。
もっと最悪だったのが、自分が陽性と知ってるのに待機要請を無視して飛行機に乗って自宅の沖縄に帰るとか、公共交通機関で山梨に帰省して友人と集まったりした人がいましたけど、もはやテロ行為と同じ。
どうしてそんなことができるのか理解に苦しみます。
自分の行動を客観的に見たことありますかって話です。
律儀で礼儀正しく、自分が損してでも他人を思いやれるのが昔ながらの日本人の良いところだったのに、現代の日本人はずいぶんと利己主義になってしまいました。

そんなわけで感染者数の増え方が危険水域に入りついに緊急事態宣言が出される始末となったわけですが、まぁそれでもパチンコ屋に行く人が後を絶たないなどいろいろあるなか、ここにきてようやく人々の行動も変わってきたのかなぁと思います。
そして、日本が選択した感染者数の増え方を緩やかにするという戦略は功を奏し、検査数の絶対量が少ないため一概に比較はできないものの、諸外国と比べると桁違いに感染者数が少ない状況でこのまま収束させることができるかもしれません。
政治家はともかく、日本の行政や専門家はやっぱり優秀です。

さて、アスパラといえば、地面から力強くにょきにょきと出てくる姿が生命力に満ち溢れ、芽吹きの季節を象徴する春野菜。
こんなときだからこそ、元気をたくさん貰えそうな気がしますよね。
ホワイトアスパラはグリーンアスパラよりも少し遅れて出まわるので、イタリアの名産地ヴェネト州でも5月から6月が最盛期となります。
日本では佐賀県など九州産のものが早くから流通しますが、北海道産はヴェネト同様今頃が本番です。
ホワイトアスパラはグリーンアスパラよりも高価なので、シンプルに茹でるだけがいい。
今日は茹でたアスパラを半分にカットして、小鳥の巣に見立てて盛りつけ、巣の真ん中にポーチドエッグを添えました。
アスパラと卵は説明不要の定番の組合せ。
溶かしバターとグラナパダーノをたっぷりとあしらい、季節限定の味を堪能します。

Ingredienti (per 2 persone)

ホワイトアスパラガス3本
卵(大玉)1個
バター20g
適量
黒胡椒適量
グラナパダーノ適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ホワイトアスパラは先端から長さを揃えて下の硬い部分を切り落とし、穂先の少し下から皮を剥いて真ん中で二等分に切り分けます。
深鍋に湯を沸かして塩を少々加え、まず茎の方を8分ほど茹でます。
続いて穂先側も湯に落としてさらに6分茹でます。
火を止めたらそのまま鍋ごと粗熱を取ります。

別の鍋でポーチドエッグを作っておきます。
作り方はいろいろあるので他のサイトをご覧ください。

平皿にアスパラを小鳥の巣のように盛りつけ、中央にポーチドエッグを置き入れます。
塩をふり、ソースパンで溶かしたバターをまんべんなくかけ、黒胡椒とたっぷりのグラナパダーノを削りかければ出来上がり

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1 件のコメント:

  1. ベルリン在住の音楽家です。
    お元気そうでなによりです。

    ベルリンから南下し、ポツダムを超えてベーリッツ周辺は白アスパラの大生産地です。
    ですが、今年は例の問題で、例年頼ってるポーランドからの労力を雇えなかったのでボランティアの素人が収穫することが多いのですが、慣れないので収穫時にポキポキ折ってしまって...
    まあでもそれが安く流通しているので良しとしますか。
    味も香りも良く豊作です。

    ドイツ的なレシピも美味しいし、イタリアンでもおいしいし、日本的にバターと醤油でも美味しいし、味噌汁に入れても美味しいです。
    季節のものは本当に美味しですね。

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