2020年5月30日土曜日
Panini con Rucola e Prociutto 生ハムとルッコラのパニーニ
印象的なストライプ模様の焦げ目はかりっとして香ばしく、切り口からチーズがとろり溶け出して食欲をそそります。
最近はカフェやコンビニでもよく目にするパニーニ。
いわゆるイタリア風のサンドイッチのことですが、見たり聞いたりする機会が増えたおかげで、イタリア料理好きはもちろんそうでない人にもパニーニという言葉がかなり浸透してきました。
店によってパニーノだったりパニーニだったり語尾が微妙に違うことがありますが、イタリア語では単数形がパニーノで複数形がパニーニ。
でも、お店で提供されるのが実際にひとつだけなのか二つ以上なのかはたぶん意味してなくて、語尾の韻や響きの違いによってお店のセンスでネーミングしてるだけだと思われます。
パニーノというとアメリカのウェスタン風の響きというか陽気で快活な少年ぽい雰囲気で、逆にパニーニになると語尾が一文字違うだけなのに乙女チックに聞こえます。
パニーニの具材はローストした肉の薄切りやハム、サラミ、ツナなどをメインにトマト、チーズ、茹で卵などを加えて、オニオンやオリーブ、グリーンの葉野菜などと一緒にはさんだものが定番。
葉もの野菜は、普通のレタスやキャベツなどではなく、葉がカールしたロメインレタスやルッコラを使うとイタリアっぽい感じになります。
それともうひとつ、イタリアっぽさを印象づけているのがあの特徴的なストライプ模様の焦げ目。
これこそが、普段私たちがイメージするいわゆる典型的なパニーニで、パニーニ=ホットサンドという認知のされ方をしています。
でも、実はイタリアでは、このタイプのパニーニはそれほど一般的ではないんです。
イタリアといえばパスタの国。
ということは、日本のご飯に相当するのは同じ炭水化物の小麦から作るパスタだと思われがちですが、そうではありません。
そういえばイタリアにはリゾットという米食文化もありますよね。
でも、日本のご飯に相当するのはパスタでもリゾットでもなくて、他の西欧諸国と同様にパンがそれに相当します。
食に対するこだわりが強いイタリア人はパンにもこだわります。
イタリアでよく食べられているパンがチャバッタ。
ほかにもフォカッチャやロゼッタなどイタリア特有のパンが一般的。
これらのイタリアパンは、上下に切り分けて何かをはさむのにちょうどよく、断面が内側にくるためトーストする必要がないし上部がもっこり盛り上がってるのでグリルパンでプレスしたりもしません。
これがイタリアで定番のパニーニ、イメージが全然違いますよね。
もちろん食パンのような薄切りのパンでサンドすることもあります。
その場合はまさしく、溝のついた鉄板で上下からプレスするようにしてこんがり焦げ目をつけたホットサンドにするわけですが、これはあえてパニーニではなくトーストと呼んだりすることが多いようです。
イタリアのパニーニが近隣諸国に伝わると、フランスではバゲットが、イギリスでは食パンなどそれぞれ自国で一般的なパンで作られました。
ただ、そのままだと普通のサンドイッチとあまり変わらなくなるので、パリのカフェなどで焦げ目をつけホットサンドにしたものをイタリアンパニーニとして売り出したところまたたくまに大流行したそうです。
これが本家イタリアのパニーニより有名になり、他の諸外国においても今やパニーニといえばこちらのタイプを指すようになり、家庭で使えるパニーニプレスもフランスやアメリカで製品化されています。
今日のパニーニですが、パニーニプレスではなくグリルパンとベーコンプレスを使って焼いたものです。
ベーコンプレスというのは、アメリカンスタイルのホテルの朝食などでよく出されるまっすぐ平らなベーコンを焼くための重石みたいなもの。
グリルパンの上にサンドイッチを乗せて上からベーコンプレスで抑えてガス火で焼きます。
上下から加熱できないため下面に焦げ目がついたらひっくり返す必要がありますが、プレスしてるのですぐに焦げ目がつきますよ。
中身はシンプルに生ハムとチーズにルッコラ。
内側が適度に蒸し焼きになるため、ルッコラがしんなりして、生ハムも脂身が少し溶けた状態、チーズもとろりとなっていい感じです。
Ingredienti (per 2 persone)
田舎パン | 1/2本 | ||
生ハム | 30g | ||
モッツァレッラ | 50g | ||
ルッコラセルバティカ | 適量 | ||
にんにく | ごく少量 | ||
オリーブオイル | 大さじ1 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
田舎パンは15mmほどの厚さにスライスします。にんにくをすりおろして小皿でオリーブオイルと合わせます。
パンの具をはさむ内側の面を小皿に乗せてオリーブオイルに浸します。
まな板の上にパンの内側を上に向けて乗せ軽く塩胡椒をふり、生ハム、手でちぎったモッツァレッラ、ルッコラを適当に乗せ、もう一枚のパンではさんでサンドイッチにします。
グリルパンを火にかけてよく熱します。
サンドイッチを乗せて上からベーコンプレスで押さえます。
香ばしい焦げ目がついたら裏返して反対側も焦げ目をつけます。
内側が適度に蒸し焼きになり、ルッコラがしんなりして、生ハムの白い脂身が溶けて透明になり、チーズがとろりとなったら食べ頃です。
包丁で食べやすい大きさにカットして皿に立体的に盛りつけ、黒胡椒を軽く削りかければ出来上がり。
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