2020年9月12日土曜日

Spaghetti con Salsiccia e Fagioli 生ソーセージと白いんげん豆のトマトソースのパスタ

ひと口大に切った生ソーセージといんげん豆をトマトで煮込み、本来は主菜だけど贅沢にもパスタのソースでいただく、食欲の秋にぴったりなサルシッチャといんげん豆のパスタ。
イタリア料理なのになぜか懐かしさを感じる素朴で田舎っぽい雰囲気、今年の夏は帰省できなかったしちょっと郷愁にかられる一皿です。

あれから半年が過ぎ、それまでは当たり前だった人々の暮らしや習慣が大きく変わりつつあります。
言うまでもなく中国発のあの史上最悪のウィルスのことです。
人類は今やそれ前提に生活することを余儀なくされてしまいました。
GWや夏の観光シーズンも当然ながら不発に終わりました。
大打撃を受けた観光業を少しでも盛り上げようと国が肝入りで推進したGoToキャンペーンは、あまりにも拙攻でタイミングが悪すぎました。
国の矛盾した方針に対し、東京都をはじめ各自治体からは慎重な意見が出され、お盆の帰省など県をまたぐ移動の自粛要請が相次ぎました。
ウィルスに汚染された都市部から無垢な地方の田舎に人々が移動するとどうなるか、考えただけでぞっとします。

ウィルスを遠隔地に運んだり伝搬させるのは人間です。
感染を拡げない、家庭に持ち込まないための最善策はどこにも行かずに家にいること、つまりステイホームなのはご存知のとおりです。
ウィルスが瞬く間に世界に拡まったのは春節(旧正月)に大量の中国人が国境を越えて大移動したからであるのは言うまでもありません。
世界中に出稼ぎに出ている中国人が一斉に故郷に帰省して、ウィルスの媒介者となって再び世界中に散らばっていったわけです。
今なら絶対ありえないぐらいひどい話です。
紳士的な民主国家の日本と違い、あの国の政府なら春節の人々の移動を強行に禁止するといった措置もとれたはずなのに、それをしなかった。
そして最近このどさくさに便乗して悪さばかり働いていてますよね。
そうなると世界を巻き込んだのも恣意的だった可能性があるわけです。
ほんと最悪です。

一方、私たち日本人はどうかというと、国から何かを強制されなくても要請に従い自制心を働かせて協力的に行動してきました。
楽しみにしていた夏休みでさえ多くの人が旅行や帰省を自粛しました。
国がGoToの旗振りをするなか、国民自身が懸命に判断した結果です。
地方の観光地や帰省先の田舎は高齢の方が大勢いて、医療体制も脆弱で有事に対して脆く、儚く、そして無力です。
そんな田舎の平和な暮らしを破壊するようなことをしてはいけない。
利己主義にならず、他人を思いやり礼儀やルールを守って行動するのが日本人の素晴らしいところです。
やはりあちらとは民度が違うということでしょう。
おもてなしの心を礎とした美しき和の精神、つくづく誇りに思います。

さて、猛暑もピークを超え、ようやく少し涼しくなってきましたね。
暑い頃はおよそ食欲をそそられなかった、ちょっと濃厚でこってりしたものなんかが恋しくなる時期でもあります。
そんな秋始めの食卓にもってこいの素材のひとつがサルシッチャ。
イタリア風の生ソーセージです。
日本で定番のドイツ風のソーセージと違って肉々しくてジューシーで、それでいて適度なハーブの香りがあってそれほどしつこく感じない。
まさに初秋の食欲をどんぴしゃで満たしてくれる食材なんです。
今日のような、サルシッチャと白いんげん豆をトマトで煮込んだものはどちらかといえば深まる秋から冬にかけてのメイン料理でいただくものですが、パスタソースにしてしまうところも秋始め感があります。
そしてなにより、この田舎っぽくて垢抜けない雰囲気にほっとするし、暑さ疲れした心と身体に沁みて癒されます。
なんていうか、イタリアの料理なのになぜか懐かしい感じ。
でも、イタリア料理のいいところはそういうところでもあります。

イタリア料理のベースになってるのはなんといっても田舎の家庭料理。
同じ西洋料理でもフランス料理はお洒落で洗練された雰囲気で、食べる方もちょっと肩肘はって上品に食べるイメージですが、イタリア料理は気取らない食堂のような店でわいわいとおしゃべりしながら食べるのが似合います、似ているようで本質は結構真逆なんですね。
イタリア料理では、皿のどこかに田舎っぽさや野暮ったさを取り入れるのが良しとされているのをご存知ですか。
野菜の煮ものや炒めものでは具材がくたくたになるまで火を入れたり、パスタを皿に盛るのもあえて雑な感じに盛りつけたりします。
冷たい印象のフレンチに対して、イタリアンは故郷に帰ってきたような温かみを感じますよね。

Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ(2.2mm)220g
にんにく1片
玉ねぎ1/2個
生ソーセージ150g
白いんげん豆(乾燥豆)80g
ホールトマト1缶
オリーブオイル適量
ローリエ1枚
セージの葉5枚
適量
黒胡椒適量
ペコリーノ適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

白いんげん豆は前の日からたっぷりの水で戻しておきます。
香味野菜はみじん切りに、生ソーセージはひと口大にカットします。

フライパンに薄くオイルをしきソーセージを強火で焼きつけます。
香ばしい焼き目がついたら(中まで火を通さなくてもよい)取り出し、ソーセージから出た脂は捨てます。

深鍋にオリーブオイルをしいて香味野菜をソフリットします。
鍋に豆と豆の戻し汁、ローリエ、セージ、塩ひとつまみ、ソーセージを加えて中火で煮込んでいきます。
沸騰したら弱火にしアクが出てきたらすくい取ります。
30分ほどしたらホールトマトを加えます。
さらに30分ほどして豆が軟らかくなったら塩胡椒で味を調えます。

隣でパスタを茹でます。
フライパンにソースを移して弱火にかけ、茹で上がったパスタも加えてソースを吸わせながら和え、もう一度味見をして塩で調整します。
皿に盛って黒胡椒を挽きオリーブオイルをまわしかけます。
ペコリーノチーズを削りかけてセージの葉を添えれば出来上がり。

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