2019年7月20日土曜日
Pasta con le Corbicole 土用蜆のペペロンチーノ
味噌汁のイメージが強いしじみですがオリーブオイルとの相性は抜群、滋味深い味が夏の暑さで疲れた身体に沁みる一皿です。
今日、7月20日は土用の入りですね。
夏にはこの土用とか、丑の日とかいう言葉をよく耳にします。
この時期になるとスーパーでは鰻コーナーが特設され、販促用ポップに筆文字でうなぎを模した「う」の文字が踊ります。
しかし以前はもうちょっと安価に買えたのですが今は高いですよね。
養殖に必要な稚魚が獲れなくなり絶滅危惧種に指定されて早や5年。
それ以降うなぎの価格は文字通りうなぎ昇りに上昇し、庶民にとっては完全に高嶺の花になってしまいました。
お店で食べるうな重も今やちょっとしたコース料理が食べられるほどのお値段が定着、たまにはうなぎでも食べようかなんて気軽に立ち寄れるものではなくなってしまいましたね。
その土用の意味ですが、実は季節の変わり目の期間を指します。
暦の上では、例えば春は立春に始まり立夏の前日に終わるわけですが、最後の18日間が土用の期間とされていて本来は年に4回あります。
ただし現在は土用といえばもっぱら夏の土用を指すのが一般的。
夏の土用は夏から秋への変わり目となりますので、立夏ではなく立秋の前の18日間となります。
今年は8月8日が立秋なので7月20日から8月7日が土用の期間。
季節の変わり目どころか梅雨が明けていちばん暑い頃ですよね。笑
そしてこの間に巡ってくる丑の日が土用の丑の日。
子、丑、寅、兎のいわゆる十二支の丑のことで、十二支は年だけでなく月や日にも割り振られていて、12日ごとに一巡します。
土用の期間は18日間ですので必ず1回は巡ってくる計算です。
2回巡ってくる場合はそれぞれを一の丑、二の丑と呼び分けます。
最も暑い土用の頃に栄養価の高いうなぎを食べて夏バテしないようにというのが、土用の丑の日に鰻を食べる理由。
由来は諸説あるのですが、江戸時代に当時のある鰻屋が、夏はうなぎが売れないので店の前に土用の丑の日うなぎの日と書いた貼り紙をするとこれが大当たり、他の鰻屋も追従するようになって広まったそう。
もともと、土用の丑の日に「う」のつくものを食べると病気にならないという言い伝えがあり、梅干しやうどん、瓜などを食べる習慣があったのが背景にあり、うなぎも「う」がつくことから定着しました。
うなぎはともかくとして、梅干し、うどん、瓜などは食欲が落ちる夏に食べやすいものばかりですよね。
さて、ようやくシジミの話です。
土用シジミの呼び名があるぐらいなのでシジミもこの時期に食べるものとしては欠かせないもののひとつ。
土用の丑の日に食べる鰻がどちらかというと験担ぎ的習慣なのに対し、シジミはちょうどこの時期に旬を迎えるためそう呼ばれています。
シジミは淡水や汽水域の泥地を好んで生息するため、浅蜊など海水域の砂地に暮らす二枚貝と比べてやや土臭い味がしますが、そこが滋味深い味がすると言われる所以でもあります。
そしてなにより貝類特有の旨みが強く濃厚な出汁がとれるため味噌汁にすると抜群に旨いですよね。
ただ、通常は殻も身も豆粒のように小さいので、身も食べるというより出汁を味わうだけになってしまう場合が多いんじゃないでしょうか。
今日のシジミは茨城県は涸沼(ひぬま)産の大粒シジミでアサリほどの大きさがあるので身もしっかり食べることができます。
それならば味噌汁もいいですがパスタで食べたいですよね。
シジミはにんにくやオリーブオイルとの相性もよく、ペペロンチーノやボンゴレのようなオイルソースで良さが生きます。
ただし、毎度書いてることですが、低カロリーかつヘルシーに作ろうとオイルが必要ないテフロン加工のフライパンでオイルはほんのちょっとなんて作り方では美味しいパスタなどできません。
オイルソースなんだから、オリーブオイルは思ってる以上に超たっぷり使い、パスタの茹で汁もかなりたくさん加えます。
その際、ソースをとろりと乳化させるのもポイント。
汁気が多過ぎてスープパスタか、ってぐらいでちょうどいいんです。
火を止めて皿に盛ってからも、食べてる間も、パスタはどんどん汁気を吸いますので、しっとり感がありぱさぱさしていないパスタを作りたいなら、騙されたと思って是非試してみてくださいね。
Ingredienti (per 2 persone)
リングイーネ | 220g | ||
大粒シジミ | 200g | ||
にんにく | 2片 | ||
唐辛子 | 2本 | ||
白ワイン | 1/2カップ | ||
オリーブオイル | 大さじ4 | ||
プレッツェーモロ | 10枝 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
シジミは1%程度の塩水に浸して蓋をして暗所で砂抜きします。砂抜き後は流水で殻をこすり合わせて洗い、ザルに上げておきます。
にんにくは包丁の腹で潰し、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)は粗みじん切りにします。
フライパンにオリーブオイルをしいてにんにくを置き入れ、ごく弱火でじっくり加熱し、にんにくの香りが出てきたら唐辛子を加えます。
シジミを静かにフライパンに置き入れ、ワインを回し入れて蓋をして、貝が開くまで中火から強火で蒸していきます。
殻が開いたらシジミは一旦取り出します。
隣でパスタを茹で始めます。
シジミから出た水分とワインとでそこそこ汁気が多くなっているので、少し煮詰めてからパスタの茹で汁をレードル3杯分加え、フライパンを小刻みに揺すってソースを乳化させます。
パスタを表示より1分30秒短く茹でてフライパンに移し入れ、ソースの旨みをパスタに吸わせながらマンテカーレします。
シジミから結構塩気が出ますが、味が足りないようなら調整します。
取り出しておいたシジミを戻してもう一度さっと和えます。
皿に盛って黒胡椒を挽き、刻んだプレッツェーモロを散らし、オリーブオイルをまわしかければ出来上がり。
0 件のコメント:
コメントを投稿