2019年7月13日土曜日

Pizza Fatta in Casa con Rucola e Prociutto 生ハムとルッコラの自家製ピッツァ

もちもちのナポリ風の生地にチーズを乗せて焼成し、後乗せで生ハムと自家栽培のセルバティカを盛り付けた自家製ピッツァ。
余熱でプロシュートの白い脂身がとろり半透明になったらもう食べ頃、お店のようにとはいかないまでも家庭でこんなビジュアルのピッツァが焼ければ最高です。

ピッツァといえば今どきの日本のピッツァはレベルが高いですよね。
惜しむことなくたっぷり使われているチーズが熱でとろとろにとろけ、もちもちの生地の縁が厚く盛り上がって(コルニチョーネといいます)美味しそうな焦げ目がついてるアレです。
ご存知のとおりこのスタイルはナポリ風と呼ばれるもの。
ナポリのピッツァは専用の石窯で超高温かつ一気に焼き上げます。
そうすることであのようなビジュアルに焼き上がるんですね。

でも、狭い厨房に石窯を設置するにはそれなりのスペースが必要だし、そんなものがあると厨房の温度が異様に上がってしまいます。
それと、本来ピッツァはピッツァイオーラというピザ職人が作るもので専門の設備と職人がいるピッツァ専門店=ピッツェリアでないと本場の美味しいピッツァは食べられません。
だからイタリアでは格式の高いリストランテはもちろん、オステリアやトラットリアでもピッツァはあまり扱っていません。
比較的カジュアルな食べものだからというのもありますが、やはり人と設備の問題で本業と両立させるのが難しいんですね。
ところが日本ではイタリアンといえばパスタとピッツァは外せないのでピッツァもメニューに乗っているのが普通です。
しかも中途半端なものではなくしっかり本格的なピッツァを出さないとお客が来ないですし、逆にあの店のピッツァが美味しいと評判になれば必然的に人気店になります。
だから頑張って石窯を作り、ピッツァのこともとことん勉強します。
レストランにピッツァがあるというのは当たり前のことのようですが、実際は結構大変なことなんですね。

イタリアンに限らず、日本のお店は総じてレベルが高いと言われます。
本場の味をしっかりと再現するだけでなく、季節感やその土地の食材を生かした料理の数々に、本国から来た外国人が本場より美味しいなどと絶賛することも結構あるようです。
日本人は努力家で勉強熱心なので技術がしっかりしています。
加えて日本人にはおもてなしの心が根づいており、その背景にあるのが世界無形文化遺産にも指定された和の食文化。
四季折々の野山や海の幸に恵まれ、新鮮な食材を使い、日本人の丁寧な手仕事や繊細な知恵による多彩な調理法はもちろん、食器や盛りつけ、配膳、食事作法、おもてなしの気配りまで含めたすべてが和食の要素。
料理のジャンルは違えど根底には同じ考え方が息づいているからこそ、諸外国には真似できない繊細な味とサービスが提供できるんですね。

さて、ピッツァの話に戻ります。
本場ナポリ風のピッツァを家庭でも焼いてみたいと思ってる方は多いと思いますが、石窯で焼かないとあーはならないので難しいですよね。
でも、今日の写真のようにそれに近いものならなんとか焼けます。
それはオーブンではなく魚グリルを使うこと。
二口のガスレンジの真ん中にあるアレです。
魚グリルは庫内が高温になるうえ、天火も近いので、身近な調理器具のなかでは最もピッツァ焼成に向いています。
ただし縁(コルニチョーネ)の美味しそうな焦げ目は生地の中の空気が高温で一気に膨らむことでつくので、さすがに魚グリルでも無理。
そこで、ちょっと手間ですが魚グリルから取り出したあとにバーナーで縁を炙って焦げ目をつけるといい感じになります。
どうですか、お店のようにとはいかないまでも、なかなか美味しそうに焼けてると思いませんか。

Ingredienti (per 3 Pizze del Diametro di 22cm)

per l'Impasto
強力粉250g
薄力粉50g
ぬるま湯2/3カップ
ドライイースト6g
ひとつまみ
オリーブオイル大さじ1 1/2
per Condire
モッツァレッラ150g
生ハム120g
ルッコラセルバティカ適量
オリーブオイル適量
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

粉をふるってボウルに入れ、塩、ドライイーストを加えて混ぜ合わせ、ぬるま湯とオリーブオイルを加えて手で混ぜます。
最初は手にべたべたつきますが、だんだん生地がまとまってくるので、台の上に移してさらに10分ほど捏ねていきます。
生地に張りが出てきたら丸めてボウルに置き入れ、濡れ布巾かラップをして一次発酵させます。
目安は室内で夏なら1時間、冬は3時間ほど。

十分に発酵が進んで二倍ぐらいに膨らんだら空気を抜いて丸めなおし、3等分して丸めます。
二次発酵させる場合は冷蔵庫で一晩かけてゆっくり発酵させます。
生地の成形ですが、縁に少し厚みを残すように手で広げ、円盤のように投げ上げたり回したりしながら薄く広げていきます。
上手くできなければ打ち粉をした台に置いて伸ばしてもいいです。

成形した生地にオリーブオイルを塗り、モッツァレッラを手でちぎって適当に置いて、フライパンで弱火で生地の底面を1分ほど焼きます。
フライ返しで持ち上がるようになったら十分予熱しておいた魚グリルに移動し、庫内の温度が下がらないよう生地を手際よく置き入れ、上面の火力を最大にして高温で一気に焼きあげます。

チーズがいい感じにとろけて生地の表面がかりっとなったら取り出し、オーブントレイなどに置いてシンクなど危険のない場所で、バーナーで縁を炙って美味しそうな焦げ目をつけます。
熱いうちに生ハムをたっぷり乗せて真ん中にセルバティカの葉を乗せ、黒胡椒を挽きオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。

関連記事 - 手作り生地のピッツァ風イタリア料理

Panzerotti con Pomodoro e Mozzarella
トマトとチーズとバジリコのパンツェロッティ
Pizza Pere e Gorgonzola
和梨とゴルゴンゾーラのピッツァ
Pizzette ai Bianchetti
釜揚げしらすのピッツェッテ
Pizza ai Quattro Formaggi
四種のチーズのピッツァ クアトロフォルマッジ


0 件のコメント:

コメントを投稿