2020年1月19日日曜日
Pasta con Crema di Foglie di Crisantemo e Bottarga 春菊と唐墨のパスタ クリームソース
イタリア野菜のような春菊の苦味とカラスミの塩気がクリームソースと好相性、もっちりした生パスタによく絡むこの冬いち推しの一皿です。
一昨年の秋冬にマイブームだった野菜が春菊。
といってもすき焼きや鍋ものにはまってたわけではありません。
その、鍋で美味しい春菊がなんとオイルソースのパスタに合い過ぎて、それにはまってたというわけです。
もともとあの独特の苦味やえぐみがクセになるというか好みの野菜ではありましたが、それまで春菊をイタリア料理に使うイメージはほとんどなかったんですね。
ところがこれが目から鱗というかオリーブオイルとの相性があまりにも良いのと、生で食べたことがなかったですが生食もできるということでパスタやサラダを繰り返し作って食べてました。
そんななかから、このブログにも秋しらすと春菊のペペロンチーノと、フレッシュの春菊とマッシュルームをパルミジャーノで和えたサラダを立て続けに載せています。
春菊は名前に春がつきますが春が旬というわけではありません。
菊は普通秋に花が咲くところ、春に花が咲くから春菊。
野菜としての旬は晩秋から冬で、季節的にも鍋で美味しい野菜です。
あっさりした鱈ちりや寄せ鍋なども悪くないですが、定番はすき焼き。
他にも水炊きのような鶏鍋や、豚ばらなどが入った韓国風のチゲなど、ある程度脂分のある鍋料理の方が合います。
春菊が油と相性がいいのは、相乗効果で尖った苦味がマイルドになるしスープの脂っこさも緩和されてしつこくなくなるから。
いわゆる正反対の特徴を持つものを組み合わせることで、お互いの癖の強さが相殺されるんですね。
油と相性がいいから揚げものでも美味しい。
春菊天は蕎麦屋でも人気の一品です。
そういえば苦い山菜類も天ぷらで美味しいですよね。
さっと茹でた山菜や春菊をマヨネーズと和えてもいけます。
韓国風にごま油と和えたナムルも美味しいですよ。
春菊の強い苦味やえぐみはイタリア野菜とよく似ています。
そのため、イタリア料理との親和性はもともと高く、オリーブオイルやにんにくの香りともよく合います。
ただ、春菊は日本をはじめアジア圏だけで食べられている冬野菜。
原産地は地中海沿岸地方とされていますが、イタリアをはじめ西欧では菊の香りは基本的に好まれず、ましてや食材としてはありえないという感覚なので、あちらの人がこれらのレシピを聞いたらぎょっとするかもしれません。
とはいえ、外国(イタリアから見て)で作られるイタリア料理の場合、その土地、その季節の素材が使われるのはある意味自然なことであり、イタリアの冬野菜の特徴を春菊で代用したパスタやサラダは、ある意味イタリア料理らしい和製イタリアンだといえます。
さて、オイルソースのパスタも美味しかったんですが、春菊のえぐみは今日のようなクリームソースとも相性抜群。
乳製品特有の芳醇さとまったりしたほのかな甘みが、春菊の癖の強さをまろやかにしてくれます。
今日は、ここにサルディーニャ産ボッタルガ(カラスミ)のパウダーを散らしかけてみました。
静岡県富士市にあるイタリア家庭料理ルーチェさんの受け売りです。
カラスミの魚介臭がクリームソースと喧嘩するかとも思ったのですが、そんなことはなく、カラスミの塩気と熟成味がいいアクセントに。
合わせるパスタは生パスタのリングイーネをチョイスしました。
ソースがとろりとしてるので、ぱつんと歯切れの良い乾燥パスタよりも食感がもっちりした生パスタがマッチ。
この冬いち推しのスペシャリテです。
Ingredienti (per 2 persone)
リングイーネ(生パスタ) | 260g | ||
春菊 | 1/2束 | ||
バター | 20g | ||
生クリーム | 300ml | ||
牛乳 | 50ml | ||
ボッタルガ(カラスミ) | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
春菊は適当にざく切りにします。カラスミは、パウダー状ではなく卵巣の形そのままのものはおろし金ですりおろしておきます。
フライパンを弱火にかけ、バターを溶かします。
春菊を加え塩をひとつまみふってさっとソテーします。
さらに生クリームも加えて、ふつふつと煮詰めていき、塩と胡椒で味を調えます。
パスタを投入する前に牛乳を加えて少し緩くしておきます。
生パスタをもっちりと茹で上げてソースに加えソースを吸わせます。
もう一度味を見て必要なら塩で味を調整します。
皿に盛って黒胡椒を挽き、カラスミパウダーを散らせば出来上がり。
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