2020年8月23日日曜日
Minestrone Freddo d'Estate 夏野菜の冷製ミネストローネ
夏の太陽をたっぷり浴びた夏野菜は残暑を乗り切るための栄養も豊富、冷たいから暑くて食欲がないときでもさらっと食べられます。
長かった梅雨が明けたとたん、今度は連日の猛暑が続いていますね。
暑くても湿度が低い地中海やアメリカ西海岸などはからっとしていて、ある意味快適な暑さなんですが、日本の夏はまるで熱帯雨林のよう。
じっとり高温多湿でとにかく不快、暑さの質が違うんですよね。
加えて、地球温暖化の影響で近年は世界的に気温が上昇。
日本の夏はもはや温帯というより亜熱帯気候だとも言われています。
今年、浜松で観測史上最高気温に並ぶ41.1℃を記録しましたよね。
並ばれたのが埼玉県の熊谷、猛暑日の常連さんです。
日本各地の40℃以上の記録は2018年以降がずらりと並びます。
日本の夏がこれほど暑くなってきたのはつい最近の話なんですね。
日本では昔から涼をとるための工夫があれこれと凝らされてきました。
例えば、サザエさんちのような古いタイプの日本の家屋の構造。
庭に面して縁側や廊下があり居間と廊下は障子で仕切られていますが、夏を涼しく過ごすために風通しを良くしたり、直射日光を遮ったりするための工夫です。
吉田兼好が徒然草の第五十五段に「家の作りやうは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は堪へがたき事なり。」
と記しています。
日本の夏は高温多湿で不快なので家の作りは夏を中心に考えるべきで、冬はどんな所にだって住めるが、暑い時期に快適に過ごせない家だけは耐えられない、といった意味です。
そんな昔ながらの家で、夏に軒下に吊るすものといえば風鈴。
ちりんちりんという音がなんとも涼しげですよね。
この、音で涼を感じるというのは日本人らしい繊細な感性によるもの。
耳だけでなく目で見て涼を感じるものもあります。
例えば打ち水や金魚鉢、通気性が良く肌触りがいかにも涼しげな浴衣も着ている人はもちろん浴衣姿を見ている方も涼しく感じます。
寒天や葛を使った和菓子も透明感があって見た目が涼しげですよね。
エアコンなんてなかった時代に昔の人はそうやって少しでも涼を感じるための工夫をしてきたし、日本人ならではの感性を育んできました。
さて、そんな目や耳から涼をとるための工夫とは少し趣が違いますが、口に入れるものが冷たければ直接的に身体の温度を下げてくれます。
かき氷や冷たい西瓜なんてのもそうですし、きんきんに冷えたビールに冷たい枝豆に冷奴で晩酌とか、氷を浮かべた素麺なんてのもそう。
とくに麺類などはつるつると喉ごしもいいので、冷たい麺つゆで食べるざる蕎麦やざるうどん、冷やし中華なども日本の夏の風物詩です。
イタリアンでも夏は冷製パスタが定番になっていますよね。
今日はミネストローネを冷たくした冷製ミネストローネ。
イタリアではたっぷりの野菜を、主にトマトで煮込んだスープのことをミネストラ、または語尾を強調してミネストローネと呼びます。
ミネストローネという言葉にはごちゃごちゃしたという意味があって、入っている野菜の種類も多いし量もたっぷりで具沢山。
野菜だけでなく豆(白いんげん豆やボルロッティと呼ばれるうずら豆)を入れたり、浮き実としてショートパスタを加えたりもします。
そしていつもは冬野菜中心で作るところ、夏の冷たいミネストローネは当然ながら夏野菜メインで作ります。
冷たいから暑くて食欲がないときもさらっと食べられるし、夏の太陽をたっぷり浴びた夏野菜たちは残暑を乗り切るための栄養も豊富です。
Ingredienti (per 4 persone)
茄子 | 2本 | ||
ズッキーニ | 1本 | ||
玉ねぎ | 1個 | ||
にんじん | 1/2本 | ||
白いんげん豆(乾燥豆) | 40g | ||
ホールトマト | 1缶 | ||
オリーブオイル | 適量 | ||
ローリエ | 2枚 | ||
ショートパスタ(コンキリエ) | 適量 | ||
パルミジャーノ | 適量 | ||
塩 | 適量 | ||
黒胡椒 | 適量 | ||
- per il Sofritto - | |||
にんにく | 2片 | ||
玉ねぎ | 1個 | ||
にんじん | 1/2本 | ||
セロリ | 1/2本 | ||
オリーブオイル | 大さじ3 |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
最初に香味野菜のソフリットを作ります。にんにく、玉ねぎ、にんじん、セロリはいずれもみじん切りにします。
フライパンにたっぷりのオリーブオイルをしき、ごく弱火でにんにくの香りを出したら他の香味野菜を入れて中火で炒めていきます。
木べらでかき混ぜ過ぎず、なるべく放置プレーで焦げないようときどき混ぜ返しながら30分ほど炒め、ペースト状になったら火を止めます。
白いんげん豆(乾燥豆)は前日から水にひたして戻しておきます。
茄子、ズッキーニ、玉ねぎ、にんじんは大きめにダイスカットします。
ホールトマトはざるなどにあけて皮や種を取り除いておきます。
深鍋にオリーブオイルを多めにしき茄子とズッキーニを素揚げします。
中身を一旦取り出し、香味野菜のソフリット、ホールトマト、玉ねぎ、にんじん、白いんげん豆、ローリエを入れ、ひたひたになる程度の水を加えて30分ほど煮込みます。
茄子とズッキーニは火が通りやすいので時間差で加えます。
ショートパスタも茹で時間を逆算して後から加えます。
塩胡椒で味を調整(冷やすのでしっかりめに味付けします)し、粗熱がとれてから鍋ごと冷蔵庫で冷やします。
スープ皿に盛って黒胡椒を挽いてパルミジャーノを削りかけます。
仕上げにオリーブオイルで Cの字を描けば出来上がり。
コンソメなどなくても野菜の旨みいっぱいに仕上がります。
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