2018年12月15日土曜日
Cannelloni alla Bolognese ボローニャ風ラグーとベシャメッラのカンネローニ
手間暇かけて煮込んだミートソースはそれだけで立派なご馳走ですが、それにさらにもうひと手間かけたリッチでゴージャスな一皿です。
クリスマスまでいよいよあと10日ほどですね。
飾り付けなど準備はひと通り終えたしプレゼントも用意したし、あとはケーキとご馳走をどうしようか思案中といったところでしょうか。
この時期はブログの閲覧数も上昇し、検索ワードにはローストチキンやローストビーフといったホームパーティ向けの料理名が並びます。
ちょっとググれば世界中のレシピが簡単に見つかる時代。
お金を出してレシピ本なんて買わなくてもパソコンやスマートフォンが献立のヒントをくれるし必要な材料も教えてくれます。
ほんと便利な世の中になったもんです。
このブログでも、前菜やプリモ、メインの肉魚料理といったカテゴリや料理に使う素材、季節の料理、地方別の郷土料理といったタグを使ってブログ内を便利に検索できますので利用してみてくださいね。
さて、日本ではクリスマスのお祝いをするのはクリスマス当日ではなくもっぱらクリスマスイブ(前夜)ですよね。
西欧と違ってクリスマス休暇というものがなく、土日に重ならない限り昼間は仕事や学校がありますので、やむを得ずディナーの時間帯をどう過ごすかに重点が置かれてきたためだと思われます。
夜はクリスマスキャンドルを灯したりイルミネーションを鑑賞するなど昼間にはないムードもあり、クリスマスをロマンティックに過ごすには夜の方がかえって好都合。
そういうわけで、クリスマスは恋人と過ごすという世界的にもちょっと珍しい風習が日本では定着しました。
もちろんそこに宗教色はほとんどなく、クリスマスがイエスキリストの誕生日だということもあまり認知されておらず、単にサンタクロースがトナカイに乗ってやってきてプレゼントをくれるというイベントか何かのような日だと思われてるかもしれません。
幼少期の頃は、サンタさんは煙突なんてない日本の家屋にはどうやって入ってくるのか、プレゼント欲しさに真剣に悩んだりしたものです。
もちろんサンタクロースは実在しないので、小さなお子さんにとっては両親がサンタクロースだし、大人になればわかる恋人がサンタクロースというわけです。
親から子へ、恋人から恋人へとプレゼントを贈って、ご馳走やケーキを食べてイブの夜を楽しく過ごすわけですね。
でも、楽しい時間はとても短くて慌ただしく過ぎ、翌日はまるで何事もなかったかのように平常運転に戻って会社や学校に行きます。
一方、イタリアは敬虔なカトリック教徒の国。
イエスキリストの生誕を祝うクリスマスは復活祭と並び国民を挙げての重要な宗教上のイベントなんです。
雰囲気だけで盛り上がる日本のクリスマスとはそもそもの歴史も重みも違うし、クリスマスの過ごし方も日本とはだいぶ違います。
まず、クリスマスイブは本来は断食をもって身を清める日。
現代ではさすがに断食はしないまでも、イブの日に肉類や豪華な食事をとったりはせず魚介類や質素な食事で済ませるのが通例です。
そして教会に出かけてミサに参加したり、一年を無事に過ごせたことに感謝してお祈りしたりします。
クリスマス当日には日頃遠くに暮らす家族も帰省してきます。
クリスマス休暇でお店は開いてませんので、自宅でマンマが腕をふるいご馳走を準備し、家族みんなでそれを食べてお喋りを楽しんだりして、のんびりゆったり過ごすします。
そう、まるで日本のお正月みたいな感じなんですよね。
マンマの作るご馳走は主に肉料理やデザートやご馳走パスタ。
日本では家庭で手作りソースのパスタが出されること自体が非日常的なご馳走感がありますが、イタリアではそれは普通のことなので、休日やちょっと特別な日には普段のよりも手間暇かけたパスタアルフォルノ=オーブン焼きに仕立てることが多いんですね。
ボロネーゼの故郷エミリアロマーニャ州では、水と卵と小麦粉を捏ねて平べったい自家製パスタ生地を作ってからパスタを打ちます。
幅広のタリアテッレもラザニアも、ラザニア状の生地をくるっと巻いたカンネローニも全部同じ生地から作られます。
肉のラグー=ボロネーゼもそれ自体が既に時間と手間をかけて作られたリッチなご馳走パスタですが、そこにもうひと手間かけたラザーニャやカンネローニはクリスマスのご馳走パスタにぴったりです。
Ingredienti (per 4 persone)
ボロネーズソース | 300g | (残りもの) | |
黒胡椒 | 適量 | ||
パルミジャーノ | 適量 | ||
per la besciamella | |||
薄力粉 | 30g | ||
バター | 30g | ||
牛乳 | 300ml | ||
塩胡椒 | 少々 | ||
ナツメグ | 少々 | ||
ローリエ | 1枚 | ||
per la Pasta | |||
強力粉 | 200g | ||
卵 | 2個 | ||
塩 | ひとつまみ | ||
ぬるま湯 | 適量 | (必要に応じて) |
※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
Preparazione
今日のレシピはたくさん作り過ぎたボロネーゼの残りものを使います。ボロネーゼのレシピはこちらやこちらを参照してください。
まず手打ちパスタ生地を作ります。
小麦粉100gあたり卵1個だけを捏ねてパスタ生地を作ります。
水分に過不足があれば小麦粉とぬるま湯で調整し、しばらく寝かせたら麺棒で薄くのばして10cm四方の正方形に切り分けます。
次にホワイトソース(ベシャメラ)を作ります。
深鍋を弱火にかけてバターを溶かしてふつふつさせ、小麦粉をふるいにかけて加え焦がさないよう木べらでかき混ぜます。
牛乳を少しづつ加えながらダマにならないようかき混ぜていき、好みの緩さになったらローリエ、ナツメグ、塩を加えて味を調えます。
正方形に切り分けたパスタ生地にラグーを乗せて春巻きのように巻き、水をつけて端をくっつけてとめます。
キャセロールにオリーブオイルを塗り、ラグーを詰めたカンネローニを置き入れ、余ったラグーとベシャメラ、パルミジャーノをかけます。
200℃に余熱したオーブンで20分焼けば出来上がり。
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